Myクーバツのパツラ

最近はステーホームやらなんやらで、運動不足になることが多い。

私は、スポーツを嗜まないので、もっぱら散歩か、腹筋をするぐらいしか体を動かしていないのだけれど、インナーマッスルを鍛えるのも必要なのではないかと思い、最近気まぐれにトランペットを吹いている。

もっとも、吹いている、と言っても一昨日から始めたのだが。トランペットというのは体のあらゆるところを使って吹くので、結構体力を消耗する。まあ、肺活量を中心にして、口の周りの筋肉を使うくらいなのだけれど、それでも、久しぶりに吹いてみると体力を使う。

トランペットは健康に良い。

健康に良いものが正義というわけでもないのだろうけれど、これがなかなか運動の代わりになってくれるので、帰宅してからこっそりと吹いている。こっそりと吹いても、かなり大きな音がしてしまうのがトランペットという楽器の悲しいところなのだけれど、できるだけ、近所迷惑にならない程度に、控えめに吹いていては、唇に負担がかかってすぐにばててしまう。だからと言って、大きな音で吹いていては、近所からすぐに苦情が来てしまうであろう。

困ったもんだ。

トランペットの困ったことのもう一つは、スランプが多いことである。トランペットを練習していると、すぐにスランプが来てしまう。これは、きっと体のどこかにアンバランスが生じ、そこばかりに負担がかかっているからであろうが、三日練習したら、必ずと言って良いほどスランプが訪れる。

スランプを解消する方法は色々とあるのだろうが、トランペットを吹く人は、なぜかその原因は楽器なのではないだろうかと考えてしまいがちだ。俺の体は健康なのに、思うように音が出ないのは、楽器がいけないからだ。という思考回路である。

これは、ラッパ吹き全てが全てそういうわけではないのだとは思うが、バンドやら、ジャムセッションやらでトランペット吹きが3人集まると、必ず楽器の話で盛り上がる。やれ、ここをこう変えたら吹きやすくなった、バテづらくなった。やれこの楽器を試したら、ハイノートが出るようになっただのと演奏も忘れて話し込んでしまう。

これは、サックス吹きもそうなのかと思っていたが、どうやらラッパ吹きの方がそういう傾向が大いにあるようだ。(統計をとったわけではないが)

そこで、私も1年ほど前にトランペット本体を買い替えたという実績がある。

1年ほど前に、久しぶりに楽器を吹いてみたら、ちっとも音が出なかったのだ。困った。困ったので、すぐに楽器を買いに行った。ヴィンセント・バックの楽器である。

帰ってきて、吹いてみたら、するすると音が出た。

これだから、楽器というものは、困るのである。これで、買ってきてやっぱり音が出なかった、というのであれば、やっぱり悪いのは自分かということで落ち着く。ところがトランペットについては、バックにしてみたところ、音がきちんと鳴るようになったのだ。

今考えてみると。これは、まったく楽器の影響ではないというわけでなく、確かにバックの楽器は吹いた際の独特の抵抗感のおかげで吹きやすいのだけれど、まあ、気分の方が大きい。気分9割9分といったところだ。

けれど、さすがはトランペットの名器、ヴィンセント・バックである。これさえ吹いていたら間違いない。音も、悪いわけがないし(もし悪いのであれば、吹いている自分が悪い)、音程も良い(もし悪ければ、吹いている自分が悪い)。

ああ、どうして私は始めっからバックのトランペットを買わなかったのだろう。

今年も晴れてJapan Steel Guitar Association会員で居られる

日本国内では唯一のペダルスチールギターのメーカー、ファゼイ・ペダルスチールギター・プロダクツ。私も一台ファゼイのペダルスチールギターを所有しており、メインで練習しているのはファゼイの楽器だ。メインとはいっても、ろくに弾けないのだけれど。

ファゼイは藤井三雄さんというペダルスチールギター奏者が経営し、ご自身で設計製作を行っている。日本で唯一のペダルスチールギター製作者だ。私も、何度か工場兼オフィスにお邪魔して、ペダルスチールギターを修理・調整してもらった。藤井さんの楽器は壊れずらくて、弾きやすくて良い楽器だ。

舶来品の楽器も持ってはいるのだけれど、どうしてもアメリカの人は足が長いから、そのままでは楽器の脚も長すぎて、靴やスリッパを履かないと練習ができない。その点、ファゼイの楽器は日本人の足の長さに合わせて約1インチぐらい脚が短いので素足でも練習ができる。

もっとも、もしスタジオに持ち出して練習したり、万が一ステージで弾くようなことになったらそれは素足ではなく靴を履いて演奏するわけだから必ずしも脚が短い必要はないのかもしれないけれど、自宅で練習する分にはファゼイが一番ちょうど良い。そういうわけで、主にファゼイで練習している。

以前にも書いたかもしれないが、ペダルスチールギターというのは、ものすごく難しい楽器で、所有して5年以上が経つが、ほとんど上達していない。そして、ものすごく競技人口が少ないので、教則本の類も国内ではほぼ流通していない。仕方がないので洋書を買って練習するしかない。

E9チューニングであれば、まあ、それほど複雑なことさえしなければある程度は弾けるようになるのだけれど、C6チューニングに至っては、私はチンプンカンプンだ。けれども、なぜかE9とC6のダブルネックの楽器を持っている。いざという時は、ダブルネックの方が都合が良い(らしい)。

そんな私たち、ペダルスチールギターを志す者たちの強い味方がいる。Japan Steel Guitar Associationだ。

ここに入れば、年に数回会報が送られてくる。その会報に、スチールギターの楽譜が載っているのだ。しかも、TAB譜つき(年度末にCDも送られてくる)。

このTAB譜を頼りに、スチールギターをせっせと練習していれば、そのうち弾けるようになるはず。今までわからなかったカントリーのスタンダードも弾けるようになるはず。なのだが、なかなか練習できていない。

しかし、ここで挫折しないためにも、なんとか苦しい中で年会費を納め、今年も晴れてJapan Steel Guitar Associationの会員になった。そして、本日、会員証が届いた。

このJapan Steel Guitar Association、一体何人ぐらい会員いるんだろう。若手のペダルスチールギター奏者も会員なのだろうか?などと、いろいろな疑問はあるが、とにかくなんでも良いからこの会は続けて欲しい。

藤井さん。Japan Steel Guitar Associationの皆様。いつも大変御世話になっております。日本から、ペダルスチールギターの文化の火を絶やさないように、なんとか練習して弾けるようになります!!

今年こそ、なにか一曲、しっかりと弾けるようになるぞ。

久しぶりに10-46の弦を張った

エレキギターには11-49のゲージの弦を張ることにしている。もうかれこれ20年近くダダリオの11−49のゲージを買って張っているだろうか。

今までに何度か、気まぐれに違うゲージやブランドの弦を張ってみたことはあるが、どうもしっくりこなくて結局このダダリオの11−49に落ち着いている。25セット入りのバルク弦を買ってつかっている。

25セットのバルク弦も2年もしないで使い切ってしまう。それほど練習するわけでもないのだけれど、ギターをしまいこんでおくと弦の状態が悪くなってしまうから、しかたなく交換しているうちに25セットをあっという間に使ってしまう。

この度、気まぐれにロトサウンドの弦を買って張ってみた。それも、普段は使わない10−46というひじょうに細いゲージの弦を張ってみた。10−46が細いかというとそんなことはなく、むしろ11−49というゲージは太めなのだけれど、普段サムピックを使って、指弾きをしているので、あまり細いとかえって弾きづらい。それで、11−49というのがスタンダード担っていた。11−52という弦を試したこともあったけれど、ちっと私には太すぎる気がして、それだけでなくギターのネックにかかる負担も考えて、少しだけ細い11−49といゲージに落ち着いていた。

ロトサウンドという弦は、いい意味で普通の弦である。派手な感じでも荒い感じでもない、かといってダダリオのように優等生すぎるというわけでもなく十分にロックンロールな弦である。ブリティッシュロックの方々がよくロトサウンドの弦をつかっていると聞くけれど、とくにブリティッシュロックだからどうのということもない。ニッケルワウンドらしい、元気でハキハキとした音である。

先日、同じロトサウンドのフラットワウンド弦を張った。12−52かなんかのジャズ弦の中では細めのゲージである。これが、また個性的な弦で、フラットワウンドなのにツルツルしていなく、ザラザラしている。おとも、ぼんやりとはしていなく、ハキハキとしている。オールドスタイルのハードバップなんかをやる人には合わないかもしれないけれど、ロックでリズムギターを刻んでいるひとにはオススメできる弦だった。ああいう力強い音がなるフラットワウンドは珍しい。

何れにしても、ギターは張っている弦によって随分音が変わるもんであるなあ、と感心してしまった。

10−46の弦にこれからどれだけお世話になるかはわからないけれど、ギターによって使い分けようかと思っている。

私のメインキーボード CP−70B

私は、ピアノをまともに弾けない。ピアニストに憧れたこともない。きちんとピアノを練習したこともない。

弾けないけれど、鍵盤楽器は7台ぐらい持っていて、自宅にはグランドピアノすら置いてある。そのあたりのピアニストなんかよりも、鍵盤楽器に関して言えばずっと恵まれた環境で生きている。

なぜそんなにたくさん鍵盤楽器があるのかというと、かつてピアノメーカーに勤めていたこともその一因ではあるのだが、それよりもそもそも楽器というものが好きだからという方が正しいのかもしれない。鍵盤楽器は、ドを押せばドの音が出るし、ドミソと弾けばCメジャーコードが鳴ってくれる。これほどありがたい楽器はない。

そんなに、たくさんの鍵盤楽器に囲まれて、何をしているのかといえば、歌を歌う時の伴奏楽器として使っている。

伴奏と言っても、大層な伴奏を弾くこともできず、左手はもっぱらベース音(ルート音)を、右手はもっぱらコードを四つ打ちで弾いているだけなのだけれど、ピアノというのはよくできた楽器で、それだけで歌の伴奏としては、最低限の役目を果たしてくれる。そのためだけに、ピアノを持っているのは、すこしばかり贅沢なことなのだけれど、ピアノの音を鳴らしながら歌っていると、何か、自分がレイチャールズかビリージョエルにでもなったかのような気分にさせてくれる。

ピアノの良いところは、自分を一瞬ロックスターや、ソウルシンガーにしてくれる、それだけではない。私はギターも弾くのだけれど(こっちも腕の方はからっきしであるが)ギターではおよそ鳴らせないような難しいコードもピアノであれば押さえることができる。例えば複雑なテンションコード、ギターであればある程度コードのフォームに習熟していないと、どの指をテンションノートにあてがうか、などと考えながら押さえなければならないところを、ピアノであれば、ある程度曖昧にすることができる。

それと同時に、コード理論の基礎もピアノがあれば簡単に納得できてしまう(キーをCに置き換えると尚更わかりやすい)。

私は、楽譜も読めない。

全く読めないというわけではないのだけれど、ベートーベンの悲愴の2楽章の一小節目を読もうとして、15分で諦めたぐらい読めない。あの、オタマジャクシが上下に2つ以上出てくると、何が何だか分からなくなってしまう。

しかし、コード表は読めるので、コードとメロディーだけであればなんとか押さえることができる。なので、さしあたり独りで弾き語りをする分には特に問題はない。全く、コード表記を考えた人は偉大だっと思う。まさに、私のような楽譜音痴のためにあれは存在しているのかもしれない。

そのため、楽譜はろくに読めないくせに、たくさん楽譜を持っている。大抵、ポップスの楽譜には、ちゃんとした譜面の上に、メロディーラインと、コードが記されている。そのため、本物の楽譜の方は読めなくても、楽譜を持っていると、だいたいのメロディーと、和音がわかるので、自分で楽しむ分にはある程度用をなす。

もちろん、難しいキーの曲は伴奏ができない。例えば、#やら♭なんかがたくさんついている曲は、そのままでは弾けない。

それでも、ポップスの曲の多くは、ラウンドミッドナイトのような変なキーの曲はそれほど多くはないので、不自由はしない。

そんな私が普段一番よく使っているのが、ヤマハのCP−70Bという電気ピアノだ。これは、80年代にヤマハが作った楽器で、実際に弦が100本以上張ってあり、キーボードアクションもグランドピアノと同等のものが使われている。鍵盤は73鍵しかないが、私の使い方では十分である。持ち運びができるように、足をとって、2つに分かれるようにできており、合計120キログラムの楽器が、なんと、60キロの箱2つになる。電気ピアノなので、弦の振動をピックアップが拾ってくれ、出そうと思えばアコースティックピアノでは到底かなわないような、ものすごい爆音も鳴らせる。アンプの電源を切っておけば、サイレントピアノとして使える。まさに、夜でも練習できる小さなグランドピアノである。

私にとっては、夢のピアノである。

このCP−70Bという楽器は、すでに製造されてから40年近くが経ってしまっているので、いろいろな不具合も出てきてはいる。電源がうまく入らないことがあったり、イコライザーがうまく効かないことがあったり。それでも、普段使う分には特に不自由を感じたことはない。

鍵盤には一部割れが補修された跡があり、外装の皮も剥がれてはきている。なにより、このピアノの上に、楽譜やら、エフェクターやら、愛用のカメラやレンズやら、はたまた服用している薬の袋やらが無造作に、うず高く乗せられているので、決してきれいな外見を止めているわけではない。しかし、私はこの楽器が手元にあって本当に良かったと思っている。普段、いつでも弾けるように、パソコンの置いてある机から振り返れば、すぐに弾ける状態にしている。

そもそも、私はヤマハというメーカーの楽器はどうも魅力を感じないのだけれど、このCP−70Bだけは別物である。音そのものはそれほど良いわけではないけれど、その独特のサウンド、鍵盤のタッチ、無駄に大きな図体、何をとっても素晴らしい楽器だと思う。多くのポップスミュージシャンが、このCP−70という楽器をメインキーボードにしているのも頷ける。

購入した時は、本体価格より運送費の方が高くついてしまったぐらいだが、これからも、末長く大切にしていこうと思っている。

ゴスペル万歳!! Cory Henry

今日は素敵なオルガンアルバムを手にいれた。

Cory HenryのThe Revivalというアルバム。ゴスペルオルガンをじっくり堪能できるアルバムだ。

私は、オルガンもののジャズが好きなのだが、オルガンジャズといえば、ジミースミスも、ジャックマクダフも、やっぱりどこかにゴスペルの香りがする。いや、ハモンドB3のサウンドそのものがゴスペルの音といっても過言ではない。

オルガンのジャズを語る上で、このゴスペルフィーリングというものを抜きには語れない。ジャズとゴスペルは、近いようで遠くて、モダンジャズなんかになってしまうと、教会音楽からのレパートリーは少なくなってしまう。グラントグリーンなんかは率先してゴスペルナンバーをジャズに持ち出して弾いているけれど、彼なんかは珍しい方で、モダンジャズ奏者の多くはジャズの根底に流れているアーシーな要素をあまり表に見せない。

その点、オルガンもののジャズは、ゴスペル調なものが多い。その理由は、オルガンもののジャズを演奏するためには、オルガンが置いてあるジャズクラブか、オルガンを持ち込むかもしくはオルガンが置いてある教会に行かなければならない。

教会で録音された、ジャズアルバムは、ほとんど存在しないのだけれど、それでも、ジャズのオルガン奏者の多くは教会で演奏する機会も多いだろう。

この、Cory Henryのアルバムは、正確にはジャズのアルバムではなく、どちらかというとゴスペルアルバムなのだけれど、教会でライブ録音されている。それが、またなかなか臨場感があって、観客もノリノリで、ほぼトランス状態である。

とにかく、強力なので、オルガン好きな方は、聴いてみてください。お勧めです。

Gene Ammons & Sonny Stittもうお腹いっぱいです!!

昨日に引き続いて、Gene Ammonsを聴いている。

今日は、 Sonny Stittとの共演ライブアルバム。God Bless Jug and Sonnyというアルバムと、その続編のLeft Bank Encores。

ソニースティットとジーンアモンズの共演板といえば、名盤Boss Tenorsが有名だけれど、そのコンビでライブを行っているアルバムは何枚かある。そのうちの2枚。

この人たちのデュエットアルバムは、ただただ吹きまくっていて、聴いていて疲れてしまうのだが、時々聴くとこれはこれで悪くない。なんせジーンアモンズもソニースティットも激しいテナー吹きである。図太い音でアドリブを延々と繰り広げる。その体力たるやすごいもんなんだけれど、アルバムとしてじっくり鑑賞するとなると、聴いている方もなかなか体力がいる。

それでも、この二人のアドリブ合戦は聴く価値がある。荒削りなところもあるんだけれど、ズートシムズとアルコーンのようなお洒落さとは違ったペーソスがある。

それに、これらのアルバムはバックを固めるメンバーもすごい。ピアノはシダーウォルトン、ベースはサムジョーンズ、ドラムはビリーヒギンスという、すごいメンバーで、ハードバップの大御所ぞろいである。

シダーウォルトンのピアノがかっこいい。テナーの二人は、ブルージーなソロを繰り広げるのだけれど、シダーウォルトンのピアノトリオとなると、一気にモダンにちょっとモーダルになる。Ugetsuをトリオでやっているのだけれど、シダーウォルトンの面目躍如。一気に弾きまくる。

1トラックの演奏時間がやけに長い(一曲17分ぐらい吹いている)のはご愛嬌だが、テナーバトル好きには、このぐらいじっくりやってもらったほうが嬉しいのではないだろうか。

学生時代の愛聴盤Boss Tenorsの拡張盤といったところだろうか。

クドいジャズをお好きな方にはオススメです。いや、いい意味で。

テナーのボス、 Gene Ammons

先日、私は41歳になった。

誕生日に、特にやることがなかったので、ゆっくり昼寝をした。ゆっくり昼寝をしたら、1日が終わっていた。41歳の誕生日にしては、上々の過ごし方だったと思う。

家を出ることもなく、日がな一日昼寝をしていたので、なんだか手持ち無沙汰になってしまい。アマゾンプライムで映画を見た。

便利な世の中である。夕方まで昼寝をしていても、映画を見ることができる。レンタルビデオ屋に行ったり、映画館に行く必要もない。すばらしい、環境である。

それで、映画を観ていたら、その映画のテーマ曲がGene Ammonsが吹くCanadian Sunsetだったので、無性にジーンアモンズのレコードを聴きたくなった。レコードラックを探すと、何枚かジーンアモンズのレコードは出てくるのだが、Canadian Sunsetが入っている大名盤Boss Tenorは見当たらなかった。学生時代に買って持っていたような気がしたのだが、あれは気のせいだったのか。

それで、仕方がないので、またアマゾンでジーンアモンズのBoss Tenorを購入した。翌日に届いた。またまた便利な世の中である。レコード屋に行かなくてもCDが買える。ついこの前までは、聴きたいCDがあっても、いざCD屋に行ってみたら無かった、何ていうことがしばしばあった。しかし、今は、私たちにはアマゾンがある。

それで、Gene Ammonsである。私は、この人のサックスが好きである。もっと名手のような人はたくさんいるけれど、ジーンアモンズのようにルーズでありながら、キリッとしたサックスを吹ける人は多くはいない。スコットハミルトンも私は好きなのだが、あのスコットハミルトンでさえ、時々ジーンアモンズのマネのような吹き方をする。

テナーサックスの王者は何と言ってもスタンゲッツであろう。それは間違いない。あんなに自由自在にサックスを吹ける人は他にいないんじゃないかと思うぐらい上手い。上手いだけでなく、グルーブ感も、力の入れ方も、力の抜き方も完璧である。そして、音に芯がある。

その昔、ジョンコルトレーンが、インタビュアーに「なぜあなたはスタンゲッツのように吹かないのですか」と野暮な質問をされたことがあったらしい。その時、コルトレーンは「もしスタンゲッツのように吹けたら、誰だってああいう風に吹くよ」と答えたらしい。らしいらしいで恐縮だが、スタンゲッツはそのぐらいすごい。

ジーンアモンズのテナーにはそういう要素はあまりない。もちろん、スタンゲッツのように力強いトーンは出せるし、フレーズ回しはブルージーときたもんで、なかなか説得力はあるテナーなのだが、スタンゲッツのようなお洒落さはあまり持ち合わせていない。

けれども、ジーンアモンズのサックスを聴いていると、サックスっていうのは、こういう風に吹くからこそかっこいいのではないかと思う。ルーズでいて、キリッとしてる。ペッペッペ、という唾を吐き捨てるようなタンギング。少しレイドバックしたノリ。それでいて、重すぎないスイング感。この人は、これはこれで最高なのではないか、「最高ですか?」「サイコーでーす!」みたいな説得力がある。

ただ、この人のいただけないところは、ダラダラと吹き込んでいるジャムセッションアルバム、いわゆるブローイングセッションが多すぎることだ。だから、ジーンアモンズ参加のアルバムには駄版も多い。しかし、プロデューサーがしっかり作りこんだら、この人ほどいい仕事をできる人は少ない。

まあ、一度じっくり聴いてみてください。ジーンアモンズ。

老けて太っても芸風は変わらないJohn Pizzarelli最高!!

2000年代に青春時代を過ごしたジャズファンなら、スコットハミルトン、ハリーアレンに次いでご存知の方も多いとおもうジョン・ピッツァレッリ(ジョンピザレリ)。私は、20代の頃大好きだった。

親父のバッキーピザレリ譲りの7弦ギターの鬼才!!スキャットともに飛び出す超高速ギターソロ、難しいことはやらないのだけれど、その分ハードコアなジャズファンにはあんまり認められていなかった。それでも、今聴いてみてもそのスインギーなカッティングは素晴らしい。

2000年代に最もスウィングしていたトリオと言っても過言ではないのではないか。(言い過ぎか)

今日たまたまジェームステイラーのYouTubeを見ていたら、ずいぶんバッキングが上手いギタリストが、横で弾いている。見覚えのない顔だけれど、やけにスウィングするし、やけに古いジャズに詳しい。何者だ!?と思って見ていたら、とちゅうでメンバー紹介の時に、

ギターは、ジョンピザレリ、

と言うではないか。びっくりして、何度もまじまじと見たが私が知っているジョンピザレリとはまるで別人であった。ジョンピザレリといえば、爽やかで、少年のようなおっさんという感じだったのだが、今じゃもうすっかり老け込んでしまって、横にいるジェームステイラーと良い勝負である。

驚いて、妻に話すと、妻がiPhoneで調べてくれて、やはりあのジョンピザレリだという、

そういえば、ジョンピザレリ、若い頃にジェームステイラーのカバーとかやっていたな、と思い、もう一度まじまじと見たが、やはりわからなかった。きっと別人だろう。と思わせる何かがあった。

しかし、そのギターの素晴らしくスウィングすること。こりゃ、本物のジョンピザレリだ。という風に独りごちた。

ジョンピザレリ、老けて太っても、永遠に私のスーパーヒーローでいてくれ!!

何、今日はレコーディングするの?

私は、レスポールというギタリストが好きで、アルバムも何枚か持っている。レスポールとは、あのギブソンのレスポールのレスポール氏である。

レスポール・レコーディングというモデルがあって、復刻版のそれを一台持っている。本当は70年代のやつが良いのかもしれないけれど、いかんせん70年代のレスポール・レコーディングに状態の良いやつは少ない。だから、復刻版を持っている。

復刻版の良いところは、通常のギターとして全ての音が使えるところだ。もちろんローインピーダンスのアウトプットも付いているのだけれど、そっちは使わない。もっぱらレギュラーのアウトプットを使っている。

一度、このギターをバンドの練習に持って行ったことがある。スタジオのJCにつなげたのだが、なかなか思うような音作りができなくて苦戦した。まあ、それまでテレキャスターばかり使っていたから、仕方あるまい。音の太さが全然違うのだから。

レスポール・レコーディングは音は太いのだが、なんとなくボワっとしていて、締まりがない音になりがちなギターである。あのレスポールさんの出すような、艶やかな音は、どうやって作っているのだろう。あの音が欲しくてこのギターを持っているのだけれど、なかなかああはいかない。

そもそも、この復刻版のピックアップはオリジナルのそれとは大きく異なっている。と、聞いたことがある。オリジナルを解体したことがないからわからないのだけれど、ギブソンが復刻版を作った際にまさかピックアップまで復刻したとは思えない。それでも、見た目が似ていて、このやたらと多いコントロールが好きで、持っている。

それと、このモデルは、通常のレスポールに比べてボディーが少し大きめなのも良い。サスティーンが長く、弾きやすい。

バンドの練習に持って行った際に、メンバーから、

何?今日はレコーディングするの?

と聞かれ、ああ、この人はギターのことよくわかってらっしゃる方なんだなぁと妙に感心したのを覚えている。ギター好きが一目おく機材。レスポール・レコーディング。

下手だろうが上手かろうがモズライト

昨日、Mosriteについての話を書いたら反応があったのでもう少し。

Mosriteというギターはやはり一般的には弾きやすいギターではないだろう。何よりも、ネックが極端に細く、薄く、フェンダーやギブソンのギターを弾き慣れている方ははじめは戸惑ってしまう。また、バスウッドボディの割にはサスティーンが短いこともあり、弾き手の腕がバレてしまう。ビブラミュートやモズレーユニットと呼ばれるトレモロユニットも決して使いやすいものでもない。

それでも私がモズライトに惹かれるのは、その楽器としての完成度の高さかもしれない。ここで、完成度と呼んだのは、楽器の造りの良さも含めてなのだが、むしろ、エレキギターとしての個性の強さである。

フェンダーやギブソンといったメジャーなメーカーの楽器はともかくとして、モズライトというカリフォルニアのローカルなギターメーカーのギターを、たくさんのメーカーがコピーしている。その多くはヴェンチャーズ人気にあやかり日本のメーカーがコピーしたものだが、本家のモズライトとは比べるべくもない。モズライトに比べると、どれも大概造りが悪いのである。中には、モズライトにかなり迫っているものもあるが。

一度、御茶ノ水の楽器屋で、70年代のモズライトのフルアコを弾かせてもらったことがある。値段は50万円ぐらいだったから、70年代のモズライトの中としては結構高価なモデルだ。そのフルアコについていたネックも、通常のモズライトのように細く薄く、独特のグリップだった。搭載されていたピックアップもソリッドボディの通常のモデルと同じもので、アンプに繋ぐと、まさにモズライトの音がした。これでは、フルアコの意味がないではないか、と思うぐらいだった。

1963年モデルが一番高価で、作りも良いとされている。セットネックでボディーバインディングもついて、ラッカー塗装で、ヴィブラミュートユニットが付いている。さすがに、1963年製のモズライトは弾いたことはないのだけれど(100万円ぐらいしてしまうから)見ているだけで惚れ惚れしてしまう。エレキギターの世界で息をのむほど美しく、個性的な楽器は他にあるまいと思わせるぐらいの迫力がある。

しかし、悲しいかな、モズライトのギターを使うミュージシャンは少ない。モズライト使いといえばヴェンチャーズぐらいしか名前が挙がってこないのではないだろうか。モズライトのモデルで定番なのはヴェンチャーズモデルで、他のモデルはほとんど人気がない。したがって、ヴェンチャーズ世代の方々にしかモズライトのニーズはなく、ヴィンテージギター市場でもかなり値段が下がってきているのは確かだ。

ヴェンチャーズ以前にはJoe Maphisというカントリーの超速弾きギタリストがモズライトを愛用していて、ヴェンチャーズモデルは彼のモデルが元になっている。私もJoe Maphisモデルの60年代後期のものは触ったことがあるが、少し大ぶりなボディーで、やはりネックは細く、薄く、かなり個性的なギターだった。

Joe Maphis本人は、ほとんど自分のシグネチャーモデルを使うことなく、ほぼ9割方ダブルネックのカスタムモデルを弾いていた。彼の演奏を聴いていると、サスティーンが短いギターの特徴で、速いフレーズがキビキビと速く聞こえる。モズライトであのぐらい音符が揃って聞こえるように弾くのは至難の技だろう。モズライトはちょっとでもリズム感が悪いと、それがバレてしまう。

私は、腕がバレるような楽器ほど良い楽器だと思う。腕がバレるというのは、逆に言うとピッキングのニュアンスや節回しがはっきりと出るからである。初めのうちは弾いていても決して気持ちの良い楽器ではないかもしれないが、上手い人が弾くと、その人の表現が素直に聴こえてくる。まあ、私は、モズライトを自由自在に操れるほどの腕はないのだが。

そういう難しい楽器ではあるが、Joe Maphisやヴェンチャーズの弾くモズライトの音を聴いていると、なんだかギターというものがいかにカッコイイ楽器であるかを再認識できる。モズライトはそういう音のする楽器なのだ。