ずっと調子の悪かったLeslieがなんとなくなおった

ハモンドB3オルガンというのは、オルガン本体だけでは全く音が出なく、必ずLeslieスピーカーがセットでなければいけない。そもそもLeslieにつなぐ以外の音を出す方法がない。

厄介なもので、古いB3はその型式によって外部につなぐソケットも違い、現行機種のLeslieにつなぐためには専用のケーブルを繋がなければならないらしい。これは、人に聞いた話なので本当かどうかはわからない。なんせ、今まで本物のB3をじっくり見たのは、自宅にある一台だけなのだから。

私のB3は、ひとから借りているのだけれど、まあ、馬鹿でかくて重い。ろくに演奏できないのにこれを自宅に置いておこうというのは、我ながら酔狂というか、ちょっと困ったもんである。その上、内部の構造もよく知らないので、壊れてしまったら直しようがない。だから、時々オイルを注したりして、気遣ってはいる。

しかしながら、やっぱり年代物なので、いろいろなところが調子悪くなってくる。なんせ、倉庫に10年以上放って置かれていた楽器なので、いろいろな不具合が出てきても仕方ない。

私の家に初めて入れたときには、果たして音がきちんと出るのか、はたまた巨大なゴミを預かってしまったかもわからないでいた。ためしにスタートモーターを回してみると、なんとか回るには回ったのだが、内部の歯車がキシキシいって、モーターの音がグワングワンいってしまい、楽器というよりも耕運機のようなおとが出ていた。鍵盤の接触も悪かったらしく、ところどころに音の出ない鍵盤すらあった。

しかし、私は運が良かったのか、オイルを一通り注して、鍵盤を何度も押しているうちに、きちんと440Hzで音が出るようになった。冬場には調子が悪くなったりはするが、なんとなくこの楽器との付き合い方もわかってきた。どの鍵盤もドローバーもなんとなくきちんと音が出るように、機能するようになった。

それでも、いままでずうっと気になっていることがあった。

それはLeslieスピーカーの上の方のスピーカーホーンの高速回転が回らないことであった。手元のスイッチでTremoloにしても、上だけ止まってしまう。ゆっくり回転は回るのだが早くすると回らない。これには困った。

それはそれで仕方ないのかとずっと思っていたのだけれど、今回Leslieの裏蓋を開けて、ゴミを取り除いたら、なんとなく高速回転も回るようになった。おそらく、完全に治ったわけではないので回転速度の切り替えにタイムラグがあるのだが、それでもずいぶんマシになった。回らなかったときは精神衛生上とても良くなかったのだが、ひとまず回るようになって、安心した。

良かった、良かった。あとは練習するのみである。

いつかは、この楽器で一曲ぐらいまともに弾けるようになりたいもんだな。

もう一つのハモンド Hammond 44 Hyper PRO-44HP

先日、仕事の関係で行った会社で、鍵盤ハーモニカのプロの演奏のビデオが流れていて、つい見入ってしまった。鍵盤ハーモニカのプロというのがいるということは、どこかで耳にしたことはあったけれども、実際に映像でその姿を見たのは初めてであった。

まず、その超絶技巧(循環呼吸とか)にも驚いたが、何よりも鍵盤ハーモニカの聴き慣れた音色であるにもかかわらず、その音色がカッコイイというのが驚きであった。

私は、鍵盤ハーモニカは小学校で触ったきり、ほとんど手にしたことはなかった。なんだかフニャフニャした音色があまり得意ではなかったし(むしろ苦手であったし)、鍵盤ハーモニカよりもカッコ良い楽器はこの世の中にたくさんあるので、そういう楽器にしか興味はなかった。そういえば、小学校の頃も鍵盤ハーモニカは苦手であった。なんだかカッコ悪い楽器だと思っていたのと、鍵盤に弱かったため敬遠していた。同級生に鍵盤楽器が上手いやつがいて、鍵盤楽器はそいつの得意分野として私はかかわらないでいたと言ったほうが正しいかもしれない。

また、小学校の学芸会で必ず劇ではなく器楽の方に回されて(私は小心者であったので劇は苦手であった)、吹きたくもない音楽を縦笛や、鍵盤ハーモニカで弾かされるのが嫌であった。たしか小学校六年生の時だったか、劇の最中に鍵盤ハーモニカを持って、ステップのようなものを踏みながら「茶色の小瓶」を吹かされた。あれなんぞは恥ずかしかった。鍵盤ハーモニカというクールでない楽器を持たされて、その下手な演奏を人前で得意になってやるというのが嫌であった。

そんなことだから、小学校を卒業してからはなるべく鍵盤ハーモニカに触れないようにしていた。学生時代に所属していたモダンジャズ研究会でピアノの友人が鍵盤ハーモニカを持ち出して吹いたりしていたが、なんだか間抜けなその音色が好きでなかった。

それで、40歳を超えた今、いきなり鍵盤ハーモニカに再会したのである。それも、今回は鍵盤ハーモニカがカッコイイのである。これには参った。鈴木のメロディオンである。しまいにはなんだか、メロディオンという響きもカッコよく聴こえてきた。それほどに、鍵盤ハーモニカのプロの演奏がカッコよかったのである。

それで、いてもたってもいられなくなり、早速購入した。

私は、弾けもしない楽器でも、カッコイイと思うとすぐに影響され欲しくなってしまうという悪い癖がある。一応自制心も働いていて、どうしても演奏できなさそうなものと、長続きしなそうなもの、とても高価なもの(グランドピアノは持っているが)については極力買わないようにはしている。それでも、今回の鍵盤ハーモニカはやはり抑えきれなかった。買ってしまった。

それも、Hammond 44 Hyper PRO-44HPという、ずいぶん高級機種を買ってしまった。このハモンドの鍵盤ハーモニカは、エレアコ鍵盤ハーモニカで、アンプにつなぐことができ、かつ44鍵というデラックス仕様である。すでに、生産終了となっており、今はHammond PRO-44HPv2という後継機種が出ているのだが、私は御茶ノ水のハーモニカのメッカ谷口楽器で展示品の最後の一台を購入した。現行機種のほうが、色々とアップデートはあるのだろうが、その辺はよく分からない。もしかすると、マイクのフィードバック等が抑えられたり、音色も変わっているのかもしれないが、そういうのはさしあたって必要なく、私は、44鍵の鍵盤ハーモニカというのが欲しかったのだ。

このハモンドの鍵盤ハーモニカは、鈴木楽器のメロディオンの工場で作られている。さすが、国産鍵盤ハーモニカの始祖 鈴木楽器、良いものを作る。

試しに、「思い出の夏」の楽譜を引っ張ってきて、拙いながらも両手を駆使し、音符を辿ってみた。息継ぎが大変で、全然曲としては成り立たないぐらいに下手ではあるが、なんとかメロディーを吹くことはできた。この「思い出の夏」がこの楽器の音色によく似合うのである。なんだか、切なく哀愁漂うメロディーが向いているらしい。

なんとも言えぬ楽しさがある!

これで、借り物のHammond B3と並べて、うちには2台目のハモンドがおさまった。

ゴスペル万歳!! Cory Henry

今日は素敵なオルガンアルバムを手にいれた。

Cory HenryのThe Revivalというアルバム。ゴスペルオルガンをじっくり堪能できるアルバムだ。

私は、オルガンもののジャズが好きなのだが、オルガンジャズといえば、ジミースミスも、ジャックマクダフも、やっぱりどこかにゴスペルの香りがする。いや、ハモンドB3のサウンドそのものがゴスペルの音といっても過言ではない。

オルガンのジャズを語る上で、このゴスペルフィーリングというものを抜きには語れない。ジャズとゴスペルは、近いようで遠くて、モダンジャズなんかになってしまうと、教会音楽からのレパートリーは少なくなってしまう。グラントグリーンなんかは率先してゴスペルナンバーをジャズに持ち出して弾いているけれど、彼なんかは珍しい方で、モダンジャズ奏者の多くはジャズの根底に流れているアーシーな要素をあまり表に見せない。

その点、オルガンもののジャズは、ゴスペル調なものが多い。その理由は、オルガンもののジャズを演奏するためには、オルガンが置いてあるジャズクラブか、オルガンを持ち込むかもしくはオルガンが置いてある教会に行かなければならない。

教会で録音された、ジャズアルバムは、ほとんど存在しないのだけれど、それでも、ジャズのオルガン奏者の多くは教会で演奏する機会も多いだろう。

この、Cory Henryのアルバムは、正確にはジャズのアルバムではなく、どちらかというとゴスペルアルバムなのだけれど、教会でライブ録音されている。それが、またなかなか臨場感があって、観客もノリノリで、ほぼトランス状態である。

とにかく、強力なので、オルガン好きな方は、聴いてみてください。お勧めです。

オルガンの正しい使い方

私は、両親がキリスト教の家庭で育った。しかしながら、教会へはほとんど足を運び入れたことはない。

年に1度か2度、クリスマスと、イースターには教会に行った記憶がある。それらの日には、子供も参加できるパーティーがあるので、連れて行ってもらったのだと思う。

母は今は毎週教会に通っているらしいのだが、子育てをしている間は、教会に行く暇もなかったのだろう。だから、私はほとんど教会での記憶がない。クリスマスのミサの記憶はあるにはあるのだが、教会の裏の駐車場に車を駐めて、チェペルの横の隙間の雪をかき分けながら暖房の効いた建物の中に入っていった記憶と、聖しこの夜を歌ったことぐらいしか覚えていない。

当然ながら、賛美歌の類は全く覚えていない。

この度、オルガンを弾こうと思い、はて、何を弾けるだろうと考えてみたが、何一つとして弾ける曲はない。弾けもしないのに、書斎の3分の1ぐらいをHammond organが占めているのだ。これは、とても不経済なので、オルガンを練習することにした。

初めは、まず、ジャズを弾きたいと思ったのだが、ジャズは難しくてとても手がでない。オルガンでジャズを演奏する場合、左手はウォーキングベースを弾くか、コンピングをするかどちらかなのだが、もちろん、そんなことできるわけがない。

ベースラインも弾けなくて、コードを押さえながら右手でメロディーラインを弾くことができなかったら、ジャズは無理である。さしあたり、これでは弾ける曲がない。仕方がないので、一番簡単なジャズピアノの教則本を見ながら勉強しているのだけれど、1ページ進むのに1月以上はかかりそうなので、全く面白くない。

音楽というものは、もとより面白いという類のものではないのかもしれないが、ここまで何も弾けないと、面白くないというよりも苦行である。

そこで、まずは、ジャズの基本、ゴスペル、と言いたいところなのだが、ゴスペルの元ネタの賛美歌を練習することにした。

賛美歌、全く知らない。知らないが、賛美歌は覚えやすいはずだし、何よりも弾いていて少しは心が救われて、苦行は苦行でも気分は悪くないだろうと踏んだのである。それで、銀座の教文館に行って、教会で弾く音楽の楽譜を買ってきた。初めは、賛美歌をと思ったのだが、賛美歌は伴奏譜だったので、オルガン曲集を買ってきた。

大雑把に言うと賛美歌のフレーズを、オルガンように編曲している曲集である。教会の奏楽曲というのか、そういう用途の曲集である。

私は、心の中ではジョードシューなのだが、ここに来て、教会音楽の練習をするとは思ってもいなかった。しかし、神に仕えるもののための音楽である、何宗であろうが弾いていけないこともあるまい。

それに何より、このHammond organという楽器はそもそも、教会で音楽を奏でるために発明された楽器なのであるから、本来の用途である奏楽曲を弾くというのは理にかなっている。

それで、バロック時代の、何やら知らない作曲家の曲にチャレンジしているのである。

ちょっと弾いただけで、弾けた気になるよう、一番短い曲が載っている「短いオルガン曲集」という本を買ってきた。まずは、これで、ゴスペルぐらいまでをカバーするオルガニストになろう。

サイクルチェンジャー要らず

Hammond B3は117V 60Hzで使うようにできているらしく、東京の50Hz環境で使うためには周波数変換機というもの、いわゆるサイクルチェンジャーがなくては使えない。誠に困ったものである。そうでなくてはA440のピッチに合わなくなってしまうのだ。

しかし、私の家に入れたハモンドにはサイクルチェンジャーが付いていない。どうしたものか、困ったものである。これでは本当は50Hzで使うと大体短3度低い音程になってしまうというのだ。しかし、一応A440のピッチで音は出ているようだ。

気になって、油を注すついでに裏を開けて見てみた。

ハモンドオルガンの中身を見るのは初めてである。どこがどのように改造されていても、私は気付かない。油を注すインストラクションを見ながら、油を刺そうとすると、Runモーターのあたりがインストラクションと随分違うのだ。

見たことのないモーターが増設されている。そのモーターから、トーンジェネレーターのシャフトにベルトがつながっている。確かハモンドは、モーターのダイレクトドライブじゃなかったっけ、などと思いながら考えてみると、これは50Hzに合わせて鳴らすための改造である。

なんと、サイクルチェンジャーを増設するのではなく、モーターを変えているのだ。世の中に、このような改造を施してあるハモンドは一体何台ぐらいあるのだろう。きっと珍しいだろう。

あいにく、オイルを注すので一生懸命になってしまい、モーターの写真を撮るのを忘れてしまったが、こういう力技で、解決する方法があったかと、目から鱗であった。

ノイズの原因は、そのベルトドライブの部分でもあったようだ。とりあえず、Hetmanのチューニングスライドグリスを塗っておいた。普通のハモンドオイルでは、すぐに油ぎれを起こしてしまうからだ。果たして、これでいいのかわからないけれど、モーターノイズは一旦収まった。

Hammond organの動作音が静かになった。

昨日、自宅にハモンドオルガンを搬入したのだが、電源を入れるたびにモーターの音がブンブンうるさくてどうも気になっていた。

ハモンドオルガンというのは、このぐらい雑音がするものなのかと諦めていたが、聞いているとその雑音がどんどん大きくなっているような気がして(気持ちの問題なのだろうけれど)気になっていた。どうも、カタカタがしていた。

カタカタの原因はわからないのだけれど、インターネットで調べると、同じような悩みを抱えている人がいて、やれ、モーターの不具合だとか、やれスタートモーターが壊れているだとか色々と書かれていた。

モーターが壊れてしまっていてはどうしようもないので、これは諦めるしかないかと思っていたのだけれど、まだ望みは捨てないでいた。

幾つかの記事を読んでいるうちに。油をさしたら治ったという記事があったので、これはいっちょもう一度油をさしてみるべか、と思い立ち、ハモンドを移動して油をさし直した。昨日から3回か4回は油をさしている。その度にハモンドを移動するのだけれど、これがなかなか大変なのだ。

Hammond B3は200キロぐらいある。その巨体を動かすのは並大抵のことではない。まず、レスリースピーカーをどかせる。これが60キロぐらいあるので、うまいこと動かさないと、壊れてしまうのだが、持ち手のようなものが付いていない。レスリーは、据え置きで使うようにできているのだろう。持つところのような便利なものは一切ついていない。だから、できるだけ床に傷がつかないようにゆっくり動かすのだ。

レスリーが移動できたら次はハモンドを動かす。隣においてあるアップライトピアノに傷がつかないように、ぶつけないように動かさなくてはいけない。200キロの楽器を一人で引っ張ったり押したりするのはこれがまた大変。

なんとか動かすことができて、ハモンドのオイルを注入した。

いかんせん、10年以上オイルをさしていなかったものだ。普通なら1ozぐらいさせばいいと書いてあるのだけれど、ちょっと多めにさしておいた。昨日までは1ozずつさしたところに、今日はさらに半オンスさした。モーターのベアリングにつながっているところに重点的にさした。すると不思議なことに、少し動作音が静かになった。

良かった。

とりあえず、ハモンドでは一曲も弾けないのだけれど、ちゃんと動作するようになったのだから嬉しい。このハモンドは借り物なのであんまり無茶なことはできないのだけれど、オイルを注すぐらいはやってあげないと壊れてしまっては大変だ。とにかくインターネットに書いてあった通り、オイルをさして良かった。

Hammond B3がやってきた

入るかどうか、が入ってきたところで置き場所があるのかないのか、心配していたHammond B3とLeslie122RVがなんとか部屋に収まった。

ハモンドについては、あらかじめどこに置こうか考えていたのだけれど、レスリースピーカーについては、事前に考える余裕がなく、運送屋さんに、どこに置きますか、と言われても、はて、どこに置こうかと考えてしまう始末。

それでも、なんとか場所を作って、部屋に入れた。

Hammond B3の電源を入れると、常にモーターの駆動音がかなり聞こえるのだけれど、果たしてこれでいいものなのか。油をさせるところにはさせるだけ油をさしたのだけれど、果たしてこれで良かったのか。

ちっともわからないけれど、とりあえず音は出た。気になっていたサイクルチェンジャーは付いていなかったけれど、何やらモーターが替えられていて、なんとかA440は出ているようだ。

まだ、何も弾ける曲がないのだけれど、さて、これから何を練習しようか。

部屋を片付けた、ハモンド入ると良いな

暑い日々が続きますが、皆様のご機嫌はいかがでしょうか。特にお変わりないでしょうか。

今年は、新型コロナとかで皆マスクをつけているおかげか、夏風邪などあまり流行っていないのか、はたまた流行っているのか、よくわかりませんが、私は元気にしております。だんだん、この新型コロナウイルスなんかにも慣れてきてしまっていて、会社は知らないうちにすっかり通常運転に戻っております。景気はどうなんでしょうかね、私の周りはすっかり景気の悪い話ばかりを聞きます。

週末なんかも、派手に出歩いたりはできないのでしょうが、昨日渋谷に散歩に行くと、以前通りの人出でした。世の中、だんだんコロナにも慣れてきたのか、これは良いことなのか悪いことなのかはわかりませんが、そもそも、良い悪いで人は行動しないですからね。

それでも、私も外出は以前よりもすこし控えめ気味にしているつもりです。この、なんでも控えめ気味ぐらいが世の中丁度良いのかもしれません。なんでも一生懸命というのも、それはそれで良いのですが、人生長いので調子良いときも、調子が悪いときもあるのは仕方ありません。

かくいう、私も、ここ1年ぐらい(いやもうちょっとかな)仕事ではスランプに陥っているところです。どうも、毎日調子が上がらない。物事に集中して取り組めない。そのせいなのかなんなのか全然ポジティブなアウトプットがない、という状態が続いております。その一方で、物欲などは衰えていないので、これは仕事だけの問題なのか、または体調そのものが良くないのかはよくわかりませんが。あんまり調子が良いのも、いままで悪い兆候だったということもあるので用心しなければなりません。

自分で、ちょっと不調だなと思いながらやっているのはなかなか辛いことですが、これがなかなか人に説明するのは難しい。そもそも、そういう悩みはわかってくれる人がおりません。人間というのは孤独な生き物だということをこういう時こそつくづく感じます。

一方で、調子が良いと本人が思っているときはもっと要注意。私なぞは調子が良いのは長続きした試しがない。調子が良いと自分で思っていると、すぐに体調を崩してしまいかえって痛い目にあいます。だから、このいまのネガティブな気分さえなんとかなれば、少し不調なくらいで仕方ないのかもしれません。

このような、不調が続く毎日ですが、ちょっと日の光が見えてくるようなことがあります。人生捨てたもんではありません。捨てる神あれば拾う神あり。といえば言い過ぎでしょうか。

実は、ある知り合いからハモンドB3を貸してもらえるかもしれないのです。Hammond B3といえばジャズオルガンの名器、オルガンの世界の金字塔です。山でいう富士山。車でいうクラウン。相撲でいう朝青龍。時計でいうグランドセイコー。トランペットでいうバック。ピアノでいうスタインウェイ。スピーカーでいうJBL。オルガンでいう、、あ、オルガンではHammond B3でした。

なんだか、国産品やらなんやらしか思い浮かばないのは庶民の悪いところです。しかし、B3は庶民ではなかなか所有することはできません。まあ、わたしも別に所有できるわけではありませんが。それでも、B3が自宅に来るかもしれないのです!!

まず、困ったのは置き場所です。なんせB3は130cm四方ぐらいの場所をとる。自宅にそんなスペースはなかったのですが、なんとか片付けてスペースを作りました。次の問題は重量。これがゆうに200kgくらいあるのです。うちみたいなぼろ家の床が耐えられるのか。不安なところです。B3だけならなんとかいけるかと思いますが、問題はその上に座って弾くということ。これだけでも、床が耐えられるのか不安なところです。それでも、なんとか置きたいと思い場所を空けました。それもできるだけ窓際の床を。

最後の問題。これが一番の難関です。

果たして家に搬入できるのか。以前のアップライトピアノの経験から、玄関入れは絶対に無理ですので、窓入れになります。これが、掃き出し窓の一つでもあれば良いのですが、悲しいかな下町暮らし。そんなものはありません。なので、1階腰窓、ユニック入れです。果たして入れれるのか、心配です。

もし、入ったところで、ハモンドを演奏できるのか、という問題はありますが、演奏できるかどうかは二の次です。

それよりも、東京の50hz電源で使える仕様になっているのか(サイクルチェンジャーは付いているのか)、そもそも音はなるのか。などと、わからないことはたくさんあります。

心配してみたとことで、家に入らなければ始まりません。それ以外の問題は、少しづつ解決することとして、まずは家に入れることからです。まあ、音が出なければ、単なる場所をとる高価な粗大ゴミですが。それも仕方ありません。ハモンドを家に入れるという夢を叶えるためには、そのぐらいのリスクは背負わなければなりません。

ハモンドの修理って、いったいいくらぐらいになるんだろう。メンテナンスっていったいいくらぐらいになるんだろう。

不安なことばかりですが、とりあえず、まずは家に入るかがさしあたっての問題です。

ハモンド、家に入ったら良いな。

Rhodes, Rhodes, Rhodes ローズピアノを聴きたかったらこれを聴け

私は近頃、ハモンドオルガンやらローズピアノといった、ピアノではない鍵盤もののジャズをよく聴いている。ハモンドオルガンはとくに大好きで、大学時代からよく聴いているのだけれど、あれは良い楽器だ。

わたしは、鍵盤楽器を全く弾けないのだけれど、弾けるようになるんだったらハモンドオルガンを弾けるようになりたい。Hammond organはとにかく気持ちがよさそうだ。あの、鍵盤を押さえたままにして音を延ばしながら、テンションノートを加えていく感じとか、ハモンドのパーカッションとか、レズリースピーカーだとか、もう、どれをとってもたまらない。

オルガンは独りで弾いていても楽しそうだ。ベースラインを左手でとりながら、右手で和音やらメロディーなんかを弾く。ウォー、最高だ。弾けないのに興奮してしまう。やっぱり鍵盤楽器の王様といえばピアノかもしれないけれど、鍵盤楽器の神様に一番近いところにいるのはハモンドオルガンだと思う。現に、ハモンドオルガンはアメリカの教会に設置するために作られたのだとか。さすが、神々しい楽器である。

それで、Nordのクローンホイールオルガンを購入した。購入して、いじっていたのだけれども、これがまた良くできている。キークリックノイズだとか、そういうところまでよく再現されている。

まあ、ハモンドオルガンの本物を触ったことがないので、なんとも言えないのだけれど、なんだかレコードで聴くハモンドオルガンの音に似ている。素人の私には、これで十分オルガンの練習はできる。

そのNordをいじっていたら、おまけにアコースティックピアノの音源、ウーリツァーの音源、クラヴィネットの音源、ローズピアノの音源が入っていた。

どれも良くできてはいるのだけれど、悲しいかな、Nord Electroはやっぱりオルガンの音を本気で再現するために作られていて、その他の音源はなんとなく本物っぽくない。そもそも鍵盤のタッチはオルガンそのものだし。アコースティックピアノなんて、なんとも頼りない音しか出ない。

まあ、これはこれで仕方がない。だって、デジピの良いやつなんて30万円ぐらい平気でするんだから、デジタルオルガンのおまけの音源がそんなに良かったら、みんなデジピを買わなくなってしまう。

それでも、入っているローズの音源はなかなか良くできているのだ。良くできていて、十分にローズ気分は味わえる。味わえるのだけれど、やっぱりNord Electroはオルガンの専門家であって、鍵盤の感触、音の出方がローズピアノっぽくない。決して、これは必ずしも悪いだけではなくて、一台のキーボードで色々な音が出せてしまうのだし、それぞれが同じタッチで弾けてしまうんだから、本気でステージで使う人にはこれほど有難いキーボードはないんだけれども、なんだか弾いているうちに、どうしても本物のローズを弾きたくなってしまう。

それで、最近ローズピアノもののジャズを聴いている。

ローズピアノで有名どころと言うと、マイルスバンドだったり、ハービーだったりチックコレアのリターントゥフォーエバーなんかなんだろうけれど、まずはボブジェームスから聴き始めた。

チェットベーカーの「枯葉」という邦題のアルバムで、ボブジェームスがローズを弾いているのだけれど、これがなかなかシミル演奏なのだ。ローズの魅力が十分に引き出されている。

それで、十分良いのだけれど、やっぱりせっかく聴くならローズのもっとコアなアルバムを聴きたい。ビルエヴァンスの「From Left to Right」が良いと評判なので聞いてみたりしたのだけれど、やっぱりビルエヴァンス、さすがに、良い。良すぎて、これは、べつにローズでなくても良いような気がしてくる。ローズってもっと雑な方が好きな気がする。

それで、いろいろGoogleやらなんやらで調べてみたところ、なんでも、Hampton Hawsの「Playin’ in the yard」というアルバムが良いと言うので、聴いてみた。

これが、なんだかジワジワとくる良さなのだ。ローズ好きを唸らせるローズ節。なんだか知らんが、ローズはこうでなくっちゃな、と思わせられる。ローズはこういう風にちょっと乱暴に弾いてもらいたい。

なんだか、本気でローズと挌闘している感じが良い。ローズは決して扱いやすい楽器ではないんだろうな、と思う。ハンプトンホーズもその辺で、結構頑張って弾いている。ビルエヴァンスが、チャラチャラと簡単にローズを鳴らしてしまっているのに対して、ハンプトンホーズは一生懸命ローズからかっこいい音を出そうとしているのが聞こえて来る。

オリジナルはレコード一枚なんだろうけれど、このCDは2枚のアルバムがCD一枚に収められている。「northan widows plus」というアルバムだ。

ローズ好きなら、絶対聴くべし。