時々聴きたくなるヘビメタの代替物 The Hellecasters

バカテクもたまには良い。

いつも聴いていると疲れてしまうけれど、たまに聴く分には良い。むしろ、いつもヘタウマを聴くよりも、いつもバカテクを聴いている方がマシだと思う。

私は、かつてヘビメタ専門のギターショップに勤めていた時があって、その店では常にヘビメタ、それもヴァンヘイレンとかそういったものすごく早弾き系のメタルをかけていた。いつもはバックオフィスにいてパソコンとにらめっこしているのだが、お客さんが来ると店頭に立たなければいけない。そうすると、1日の半分以上ヘビメタを聴かなくてはいけなかった。すごく疲れた。

これが、ヘビメタじゃなくてボブディランだったらどうだったろう?あるいは、もっと疲れていたかもしれない。

かつて私が所属していたバンドのリーダーは麻雀荘を経営していて、その店に遊びに行くと常にカントリーミュージックが流れていた。麻雀荘ならば、何をかけても良いというわけではないだろうけれども、カントリーならまあさして耳障りでもないと思う。まあ、それも好みによると思うけれど、常にクラシックが流れている喫茶店ぐらいの感覚で音楽を聞き流せると思う。

けれども、ヘビメタをいつも聴くというのは辛かった。

しかし、私が、そのギターショップを辞めた後、時々ヘビメタを聴きたくなったりする。どうも、からだにヘビメタが染み付いて、ときどきそれが疼くのだ。けれども、ほとんど聴かない。きくとやっぱり疲れてしまうからだ。

その代わりに、カントリー系のバカテクものを聴く。ブレントメイソン、スティーブワーリナー、ジョニーハイランドなんかだ。

それで、今夜はThe Hellecastersを聴いている。ジェリードナヒュー、ウィルレイ、ジョンジョージェンセンのヘルキャスターズだ。

私は、この3人のギタリストのうち、ジェリードナヒューが一番好きだ。彼が一番カントリー寄りのプレイをする。音も、一番保守的なフェンダーのテレキャスターのサウンドだ。

この方々は、一見ちょっとプログレ寄りのカントリーユニットのようなイメージなのだが、実際に音楽を聴くと、カントリーのテイストでヘビメタをやっているような、いや、ヘビメタのテイストでカントリーをやっているようなサウンドだ。実際、歪ませまくって早弾きなんかをやっている。もはや、テレキャスターのサウンドに留まっていない。

これは、ヘビメタの良い代替物になる。

実際に、ヘビメタが好きな人からしてみれば、これはカントリーに聞こえるだろうし、カントリー好きが聞いたら、これはヘビメタだ。基本的にインストのバンドなのでなんとも定義しづらいのだが、これは、ジェリードナヒューがカントリーくさいことをやっているからカントリーテイストが混ざっているのであって、もしこの人がいなくなってアイアンメイデンのギタリストなんかが入ったら、完全にヘビメタのサウンドに仕上がる。ような気がする。まあ、アイアンメイデンのギタリストが入ったら、どんなユニットだってヘビメタになるか。

この人たちのレコードやらライブ、いったいどんな人たちが聴いているのだろう?そこが気になる。