Chakiはやっぱりいいなぁ

これで、3台目のChakiになるけれど、Chakiってやっぱり良いなあ。

1967年製の Chaki P-1、0フレットなし、ハカランダ指板。からっからに乾いている音色が良いなあ。このころのロッドカバーは2点止めのベルシェイプだということを初めて知った。塗装のヤラレ具合も含めて、年季が入っていて迫力がある。

これといって何か強いキャラクターがあるギターというわけではないけれど、造りもきちんとしているし、ペグはしっかりしたクルーソンタイプが付いている。単なるギブソンコピーであるということを超えて、どこか頼りなく、それでいて貫禄があり、よくできている。

ギターって、不思議なもんで、こういう決して高級でないギターがどこか価値があるきがする。

末長く大事に使おう。

久しぶりにChaki P-100を弾いてみた

ピックギターという種類のギターをご存知でしょうか。アーチトップのアコースティックギターです。一般的にはピックアップが付いていないものを指すことが多いです。

このピックギターというのが私は好きで、Gibson L-50だとか、Chaki P-1、 Chaki P-100、Harmonyだとか、いろいろ手元にあるのですが、どれもそれほど高価ではないギターばかりです。そもそもあまり高いギターは、扱いが恐ろしくておいそれと持ち出せない。そういうギターはあまり買わないようにしております。弾けないギターを持っていても仕方ない。

昨夜、所有しているピックギターのうちでも、まあまあ高い方であるChaki P-100を久しぶりに引っ張り出してきて弾いてみました。このギターは、中古で13万何某かで購入し、そのあと5万円ぐらいかけてディアルモンドのピックアップを載せたものだから、結構高くついてしまいました。

それでも、音色はそれほど高級品の音色ではありません。見た目はそこそこ立派なのですが、やはりGibsonやらGuildの高級品に比べると、そういうツーンとした音色は出ません。むしろ、ドスン、ガラガラ、というような音色です。その音色のアラを取るために、ダダリオのフラットワウンドを張っているのですが、ダダリオのフラットワウンドはどうしてもボン線で音がくっきりしない。そこで、いっその事、ロトサウンドのフラットワウンドあたりに張り直そうかと考えております。

やすい音色だから悪いかというと、そういうわけでもなく、これはこれで使える音色です。ジャズなんかをやるにしても、上品なやつではなく、すこしイナタイ音楽に合っている、ブルースもよし、カントリーもまあまあよしといったところです。

なぜか、私はこのチャキというギターメーカーの楽器が好きで、見つけたら必ず弾いてみます。これはとても危険なことで、チャキのギターは10本中7本ぐらいはイマイチで、残りの3本のうちこれぞチャキというような個体が1本ぐらいの割合であります。これを見つけると、ついつい欲しくなってしまう。

世の中にChakiのギターがあまり流通していないからまだ助かっているものの、そうでなかったら、大変です。それほど、私は音の威力があるChakiに弱いのです。

チャキの値段は、有ってないようなもので、ある時は20万円以上したり、ある時は10万円ちょっとだったりでまちまちなのですが、だいたいが音色とか、機種のグレードとかではなくて個体の状態によって値段が付いています。だから綺麗なものは割高で、あまり状態が良くないのはそれほど高くない。

私の持っているP−100は中級機種ぐらいかですが、比較的綺麗な個体だったので本当はもっと良い値段になりそうなものですが、あんまりお店としても長く在庫したくなかったのでしょう。比較的安く買えました。

チャキのギターの造りはまちまちで、時として酷い造りのものもあるのは事実です。フレットの打ち方がガタガタなもの、ペグがひどく安物が付いているものも何度か見たことがあります。きっと、時代によってピックギターが流行ったり流行らなかったりして(いや、今までに流行ったことなんかないかな)その都度の景気によってパーツやつくり込みを変えていたのでしょう。指板材も、ハカランダのものがあったり、良いエボニーのものがあったりしますが、概ね中ぐらいのグレードから、もう少しやすいグレードの材料が使われております。

こう書くと、あまり良くなさそうに聞こえるかもしれませんが、どこか魅力のあるギターであることは確かです。

Chaki P-100にDeArmond Rhythm Chief 1100

このところ楽器の話ばかりで恐縮だが、今日もギターの話である。

以前にこのブログでChakiのギターについて書いたが、実は、Chakiのギターは2台所有していて、一台はP-1、もう一台はP−100というモデルだ。以前、P-1について書いたので、それはこちらの方を読んでいただけると幸いです。今日はもう1台のP-100について。

Chakiというギターのブランドは、比較的マイナーで、大して高価なギターではないので(むしろ安物の部類に入るだろうか)名前もあまり知られていないかもしれない。日本製のギターで、京都のギター工房で細々と作られている(作られていた)。ウッドベースも作るメーカーだから、Chakiブランドのウッドベースはたまに見かけるのだけれど、そっちも高級ブランドではないから、プロがバリバリ使っているのを見かけたことはまだない。

ギターの方は、以前にも書いたけれど、憂歌団の内田勘太郎さんが長い間メインで使っていて、アルバムのジャケ写でも何度も登場しているので、そっちで見たことがあるという方も多いかもしれない。むしろChakiといえば内田勘太郎さんのおかげで有名だというだけで、他のプロの方がバリバリ使っているのを見たことはない。

手作りのギターで、70年台の個体をよく見かけるので、70年代にはそこそこたくさん作っていたのだろう。その頃のChakiの工房にはアーチトップギターで有名な辻四郎さんという製作家が在籍していて、何人体制で作っていたのかはわからないけれど、なかなかクオリティーが高い個体も多い。とは言っても、Chakiの作りが総じて良いかと言うと、必ずしもそうとも言えなくて、フレットがガタガタだったり、ナットがボロボロだったりするやつも見たことはあるから、全部が全部作りが良いというわけではないだろうから、購入される方はその辺を注意したほうが良いと思う。

私の持っているP-100もやはり70年代のもので、懐かしいタイプのグローバーペグが付いている。フレットは、前のオーナーがリフレットしたらしく、なかなか弾きやすい。P-1の方はやけに細いワンピースのメイプルネックなのに対し、P-100の方はスリーピースで太めのメイプルネック、エボニー指板である。

チャキの音はこのメイプルネックが寄与しているとこが大きく、少し硬めの音がする。P-100は指板のエボニーもなかなか良いエボニーが使われていて、タイトでガッツがある音がする。P-1とP-100のモデルの立ち位置はいまいちわからないのだけれど、おそらくP−100の方が上位モデルなんだろう。ボディートップは単板のスプルースが使われている。

Chakiのギターは個体差が大きく、全然鳴らない個体も多い。私は今まで中古市場で約10本、新品を2〜3本見たことがあるけれど、良く鳴る個体は私が持っている2台だけだった。良く鳴るといっても、50年代のギブソンのようなドスン、ポロンとしたなり方ではなく、どちらかと言うとボン、ガラガラと鳴る。特にP-100の方は、低音がすこし暴れる感じがしたので、それが気に入って買ったのだけれど、今はフラットワウンド弦を張って落ち着いた感じにしている。フラットワウンド弦に交換しても、音がこもるようなことがなく、わりと素直な音で鳴ってくれるので、弾いていて気持ちが良い。

フラットワウンド弦に交換したのは、もう一つの理由があって、このチャキにDeArmondのRhythm Chief 1100を取り付けたのだ。このディアルモンドは最近出た復刻版で音はヴィンテージのRhythm Chiefのようなクリアな感じではなく、もうすこし太いながらもツルンとした音が出るのだけれど、ヴィンテージは世の中じゃ10万円オーバーになってしまったので、復刻版にした。このピックアップはそれほどクセが強い音でもないので、これはこれで満足している。もう一つ、DeArmondからはRhythm Chief 1000というモデルも出ているのだけれど、ギター屋のオヤジに相談したら、1100の方が良いんじゃない?ということにして、こっちにした。値段は三千円ぐらいしか変わらないので、お好みで選べば良いかと思う。

このギターで、ジャズの真似事か、ジャンプブルースのような音楽を弾いてみたいと思い、購入したのだが、目下、ただのフォークギターとして使っている。アーチトップはずっとGibsonのL−50を手元に置いて愛用していたのだけれど、最近はもっぱらこのChakiを弾くことのほうが多い。Gibsonと違い、 Chakiはフェンダースケール(ロングスケール)、これが、最初はなんとなく違和感があったんだけれど、同じゲージの弦を張った場合、弦の張りが強い分だけギブソンよりもちょっと力強い音がするようなきがする。ボディーサイズが17インチと大きめながらも持ちやすいので、音量は十分に出るし、取り回しにも便利だ。

こうして、ただのフォークギターとして使っているのももったいないから、ジャズのコード進行でも覚えて、いつかジャムセッションにでも持っていきたいと思っている。まだまだ先は長いのだが。

 

安定してまとまっているGibson L-50 と 暴れん坊な Chaki P-1

ピックアップの付いていないアーチトップギターが好きで、今までに何台か所有してきた。いわゆるピックギターと呼ばれるギターだ。

ピックギターは、フラットトップのアコースティックギターと違って、ちょっと詰まったような鳴りがする。詰まったところからパーンと音が弾け出るような感覚だ。

この弾け出る感覚が気持ちよくて、GibsonのL−50という、1950年代に作られた廉価版のギターをいつも手元に置いてある。これを爪弾くと、ピッキングの強さによって丸い音になったり、ジャキジャキした音になったりするので、その感触に魅せられる。ネックグリップが程よく太くて弾きやすいのも良い。

L−50は年代によって色々と仕様が違って、一度30年代製のものを触ったことがあるけれど、バックがフラットなせいもあってか、まっすぐ前に出てくるような音がしてとても良かった。値段も20万円しないくらいだったので、もしもお金があったらきっと買っていた。ネックグリップも、もっと太いかと思っていたのだが、50年代のものとさほど変わらず、ネックヒールに近い部分が若干太めかというぐらいだった。本当にいいギターだった。Gibsonは廉価モデルでもあれだけいいギターを作れるんだからすごいと思う。

40年代製のシルクスクリーンのスクリプトロゴのやつを弾かせてもらったこともあるけれど、あれも良かった。値段は30万円近くしたらしいけれど、音に個性があって魅力的な楽器だった。音がジャキジャキしてくるまでのキャパシティーが広い楽器で、単音で普通にピッキングすると丸い音がするのだが、強くストロークするとジャキジャキ鳴った。トラスロッドは入っていたが、ネックは50年代よりもちょっと太めで、握りごたえがあった。

50年代のモデルは、今の所どれもハズレがない個体に当たっている。その中で一番気に入った一台を買った。私が持っているのは確か58年製だったと思うが、シリアルが消えかかっていてよく分からない。トップが単板プレス成形のモデルだ。

もう一台ピックギターでよく使っているのが ChakiのP-1という日本(京都)製のギターだ。ギブソンのコピーのヘッドシェイプなのだが、ボディーサイズは17インチでL−50よりも大きめだ。

私が持っているChakiにはどこにも品番らしいものは記載されておらず、仕様からおそらくP−1だと推定している。

総ラミネイトボディー、つまりベニヤ板で作られているギターだ。ネックはメイプルでエボニー指板。この、P−1というギターは憂歌団の内田勘太郎さんが使っていたから有名になった。決して高級なギターではないし、値段もそんなに高価ではないのだが、少量生産のため、あまり市場に出回らない。

Chakiは人気があるらしくて、ヤフオクなんかでもそこそこいい値段が付いているけれど、当たりハズレが多いのは確かだ。いや、ピックギターそのものがかなり当たりハズレがあっていいのを見つけるのは難しい。実際に買ってしばらく弾いてみないと判らない箇所もあるけれども、実際に一度手にとってみれば良し悪しは大体わかる。

今まで7〜8台のChakiを試奏してきたけれど、どれも全然鳴らなかった。ならないうえに、ジャキジャキだけはしているので、どうも低音が物足りなかった。それか、音がこもりすぎの個体が多かった。

私が持っている個体も、ちょっと個性が強くて、うまく鳴らすにはコツがいる。弱いピッキングで鳴らすのが難しい。強くピッキングするとバーンと鳴るのだが、音がものすごく暴れる。ギブソンのような上品なまとまりはない。

けれども、この暴れる感じと、弱いピッキングでチープになる感じが好きで、手元に置いている。きっと、メイプルネックにエボニー指板という組み合わせと、総ベニヤ板のボディーがこの音の大きなファクターなんだと思う。こう言うギターはテキトーに作ってもなかなか作れない。チャキの老舗ながらのノウハウが詰まっているんだろう。

プロとして現場で使うわけでなく、自宅で爪弾く程度なので、こう言うギターはとても良い。持っていて本当に良かったと感じる。できることならいつまでも手元に置いておきたいギターだ。これだけ、自分の好みにあった暴れ方のするギターは見つからない。

あと、 チャキは製造の年代によって造りやパーツのクオリティーがまちまちで、70年代ぐらいのチープなやつが好きだというファンが多いらしいのだが、私個人としてはもっと新しいグローバーペグが付いて、エボニー指板の仕様のモデルが好きだ。フレットの仕上げが全然違うので、70年代のモデルはリフレットしたほうがいいかもしれない。