私は普段、トランペットのマウスピースはBachの3C相当を使っている。
メインのマウスピースはKanstulのCG3というかなり内径の大きなモデルだ。内径が大きい方がアンブシュアが崩れづらいのでこれを使っている。内径が小さいと、ちょっとずれただけで唇に負担がかかってしまう。気がする。
けれども、つい最近まではジャルディネリの7Cというモデルを使っていた。Bachの7よりもすこし内径が小さいような気がする。これは、先ほど書いたことと矛盾するようだけれど、ハイトーンが出しやすくて重宝していた。その点、低音を綺麗に出すのには息の使い方に気をつけなければならないのだけれど。
ジャルディネリの7Bというのも持っている。正確には、こちらはジャルディネリではなく、ジャルディネリのコピーのNY Classicのものだけれど、ほぼジャルディネリと一緒である。こちらも、内径が小さいけれど、深さはあるので低音が出しやすい。
ここ最近先ほどのカンスタルのマウスピース(CG3)を手に入れて、吹いていた。CGはクラウド・ゴードン先生のイニシャルから取られている。クラウド・ゴードンのシグネチャーモデルのような位置づけなのだろう。
クラウド・ゴードン先生はさすがに良いものをお使いになられている。誠にバランスの良いマウスピースである。下から上まで楽に出せる。アンブシュアも崩れないという優れものである。
それに倣い、フリューゲルホルンのマウスピースはBACHの3FLを使っていた。
しかし、先週末ある街のハードオフに行ったら、フリューゲルホルン用のGiardinelliのマウスピースのデッドストック品が売られていたのである。それも、古い刻印、古いパッケージのやつである。それだけでない。なんと、大特価だったのである。
10FLが二つと7FLが一つ店には出ていた。その中から、私は7FLを購入して帰宅した。
帰ってきて早速その7FLでケノン(私のケノンはバックシャンクなのである)を吹いたのだが、これがまたなかなか悪くない。むしろ、良い。とても具合が良いのである。
バックの3FLもアンブシュアの安定からかんがえると、なかなか安心のマウスピースだったのだけれど、高音を吹く際にちょっと音が硬くなりがちであった。きっと頑張って吹いていたのだろう。それが、ジャルディネリにしたら高音が少しやわらかく太くなった。理屈では、音が細くなりそうなもんなのだが、おそらくマウスピースのせいというよりは息の使い方が楽になったせいだろう。
早速私は、フリューゲルのためのメインのマウスピースをジャルディネリにすることにした。めでたしめでたし。
それで、どれぐらい大特価だったかといえば、相場の1/3ぐらいか。
ジャルディネリ、NY Classicでも良いのだけれど、なかなか良いマウスピースです。魔法のマウスピースだと、個人的には思っています。