楽器の練習にかける気力

このところ、何週間もほとんど楽器を弾いていない。弾く時間がないのではなく、弾く気力がわかないのだ。

思えば、楽器というのは相当な気力が必要なものだ。よし、やるぞ、と思わないと練習もできない。それは、少しの気力なのだけれど、その少しを振り絞るまでに随分と時間がかかってしまう。

私の場合、寝室や書斎が楽器に溢れているので、いくらでも弾こうと思えば弾けるのだけれど、それでも弾かない。ちっとも練習しない。これでは楽器が不幸だ。

特に、ギターなどは、そこまで大きな音量が出るわけでもないし、抱えればすぐに音が出るのだけれど、この抱えるまでが大変なのだ。ギターを抱えるためには、寒い朝布団から抜け出すぐらいの気力が必要だ。

抱えてからも大変だ。抱えたら、何かを弾かなくてはならない。何を弾くか。それを考えるだけでもう一つ、気力を振り絞らなければならない。練習するとなると、そこでもう一丁、気力を使う。

よく、楽器の先生とかが、できの悪い社会人の生徒に、毎日練習しなさいとは言わずに、とにかく毎日楽器のケースを開ける習慣をつけなさいという。

あの言葉の真意がなんとなくわかってきた気がする。

まあ、わかったところで、楽器は上達しないのだが。