どうです?この悪そうなジャケ写。 The modern jazz Disciplesが案外良かった。 New Jazz悪くないかも。

ジャズのアルバムはどれもジャズという狭いくくりの中に存在していながら、その一方でレコードレーベルによって随分カラーが違っている。例えば、一番有名なブルーノート、特にブルーノートの1500番代と4000番代はそれぞれに、ハードバップというものを定義してきた名盤が揃っている。ブルーノートの看板を背負うにふさわしい、単なるジャムセッションにとどまることなく、作り上げられたアルバムが多い。

とは言っても、ブルーノートというレコードレーベルはもともとハードバップのレーベルではなくて、もっとトラディショナルなジャズを残そうということでつくられたレーベルだったと聞いたことがある。話によれば、シドニーベシェの録音を残したいがためにアルフレッドライオン作ったレーベルだとか。

しかしまあ、ブルーノートといえば、ハードバップである。

アートブレーキーを筆頭に、ジミースミス、リーモーガン、ホレスシルバーなんかが、ブルーノートの看板プレーヤーとしてハードバップの名盤を数多く残した。そういうファンキーなハードバップをよくできたパッケージに包まれているというのがブルーノートレーベルのイメージである。

ハードバップの名盤を残したということでブルーノートと双璧をなすのが、プレスティッジ。このレーベルは名盤は多いのだが、ただのジャムセッションをそのまま記録しただけの、いわゆるブローイングセッションみたいなアルバムが多い。これはこれで、いい。マイルスのマラソンセッションや、ジーンアモンズの一連のジャムセッションシリーズなんかは、このレーベルでなければ作れないような珠玉の名盤たち(とも、言い切れないのもあるけれど)である。(ちなみに、ブローイングセッションというタイトルのジョニーグリフィンのアルバムはブルーノート1500番代のアルバムタイトルです。紛らわしくてすみません。)

ヴァーブとなると、同じハードバップでももっとコンセプトが決まったアルバム、要するに「企画物」が得意です。あ、「企画物」って、AVの用語なのかな。

それで、私個人としては、断然プレスティッジが好きです。50年代中盤以降から60年代のジャズを聴くのであればプレスティッジばかり聴いてしまいます。

そのプレスティッジレーベルに「ニュージャズ」というシリーズがあります。このニュージャズというシリーズ、何がニューなのかはわかりませんが、ケニードーハムの名盤「Quiet Kenny」なんかがこのシリーズの名盤です。そういう、ハードバップを代表する大名盤もこのシリーズには何枚かあるのですが、中には、なんじゃそりゃ?と思うぐらいマイナーなレコードも沢山あります。

先般入手したのは、このニュージャズのアルバムThe modern jazz Disciplesの「Right down front」。正直言って、このThe modern jazz Disciplesっていうユニット名、CD屋でこのCDを買った時に初めて知りました。カーティスピーグラーというサックス吹きも、名前はどっかで聞いたことがあるような気もしましたが、きっとレコードでは持っていないと思います。もう一人のフロントマン、ウィリアムケリー、この人については、全く知りませんでした。すみません。

そして、このウィリアムケリーの担当楽器が「normaphone」と書いてあります。ノーマフォン、そりゃなんじゃ?まあ、いいか、ジャケがヤバイので買おうかということで買いました。

ノーマフォン、なるわけのわからない楽器がフロントだから、まあ、かなり危ういアルバムに仕上がっているんだろうな、と思って聴きましたら、案外これが良かったんですよ。ファンキーなハードバップでございます。

ファンキーなハードバップな上に、よく練られたアルバムで、楽曲のアレンジ、ソロ回しといいなんといい、素晴らしい。何より、このノーマフォンというやつが決してゲテモノではなく、普通にカーティスピーグラーにハーモニーを加えています。そして、バカテク系のプレーもなく、これといったハイライトもなく。落ち着いて一枚聴き込めるアルバムになっております。

ニュージャズ、案外いいかも。

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