気分はDuane Eddy Guild X160

私は、ギルドというギターメーカーのエレキギターが好きだ。

好きな理由は、私の敬愛するギタリストMerle TravisもDuane EddyもかつてGuildのエレキギターをテレビで弾きまくっていたからだ。とにかく、この二人のかき鳴らすGuildのギター(スーパージャンボボディー)はド派手でかっこよかった。

この二人に憧れて、私もギルドのアーティストアワード(かつてのJohnny Smithモデル)とX160というギターを所有している。Artist Awardの方は、ボディーが馬鹿でかくて、日本人の私が持つとなんだか二人羽織のような、ギターにもたれているかのような状態になるが、音はものすごく良い。生で鳴らしていても、ものすごく気持ちが良い。すっきりとしたまさに高級ギターの音がする。

X160は、マイナーなモデルで90年代の一時期だけアメリカで作られていたモデルなのだけれど、これがまた、存在感があって良いギターである。ギルドの中では比較的廉価モデルなのだろうけれど、Dearmond製のピックアップが2発搭載されていてゴロリとしたごつい音がする。フロントピックアップの音も、甘すぎず、どちらかというと無骨で頼もしい。

カラーがオレンジで、ビグスビーお付いているので、ぱっと見グレッチのような見た目も良い。この楽器を楽器屋で見た時、初めは日本製のグレッチかと思った。ダイナソニックが搭載された6120かと思った。

あれ、へんな仕様の6120があるな、と思ったらギルドだった。

あんまり期待しないで鳴らしてみると、これがまたグレッチよりも箱鳴りがして、爆音で鳴らすとすぐにハウってしまいそうで、実際店のツインリバーブのボリュームを上げるとハウった。しかしながら、ルックスがいかつくて、なおかつグレッチではなく、ギルドのテイストを色濃く残していて、これこそが私の求めていたロカビリー/カントリーギターであると強く感じた。

アーティストアワードを買った時、もうギルドは上がりだと思ったが、アーティストアワードがあまりにも良いギターなので、ギルドというギターメーカーがさらに好きになった。このX160もまるで、さっきまでデュアンエディーが抱えていたかのような存在感があってすぐに気に入った。

家の、メインのアンプであるケンドリックのツイードアンプに繋いだら、気分は50’sのロカビリーマンセーの時代にタイムスリップしてしまった。

目下、ロカビリーを練習しているのだが、ロカビリーというのは奥が深くて、なかなか思うように弾くことができない。しかし、サウンドはロカビリーであるから、弾けなくてもデュアンエディーやらエディーコクランやらの気分に浸ることができる。

ギブソンやら、フェンダーやら、世に言うギターの最高峰はいろいろあるけれど、ギブソンやフェンダーは良い音がするのが当たり前すぎて、こういうギルドみたいなギターが一台あればなんだか自分だけ特別なサウンドを手に入れたかのような気がしてくる。楽器というのは、弾きやすさとか、音色とかもとても重要なのだけれど、私のようなアマチュアにとっては、楽器は気分が一番重要なのだ。気分が乗ってくる楽器があれば、弾けないフレーズだって何度も練習できてしまう。それに、あんな曲、こんなフレーズ、いろいろと弾いてみたくなる。

アメリカ製のグレッチなんかよりも作りが良くて、安心して練習に持っていけそうなところも気にっている。愛用のヘイマーとともに、私のメインギターとして、書斎に置いている。