帰ってきたブルーグラス野郎 ギター、フィドルとマンドリン

このところマンドリンを練習している。

マンドリンはヴァイオリンとチューニングが一緒のソレラミの5度チューニングなので、ヴァイオリンと一緒に練習すると楽だ。楽ではあるが、一向に上達はしないのだけれど、指に運指を覚えさせて、ヴァイオリンの練習も兼ねることができる。

おかげで、ギターはちっとも上達しない。ピアノも全然上達しない。トランペットに至っては、すでに上達をあきらめている。一生のうちに練習できる楽器は限られているのだけれど、私の目的は演奏できるようになって人前で発表することではなく、家でつま弾いて楽しむことなので、これはこれである程度満足している。

満足はしているのだが、欲を言えば、もうすこしギターが上手くなりたい。ギター一台で一曲頭から終わりまで演奏できるようになりたい。できればソロギターでジャズを弾けるようになりたい。ピアノも、ソロで弾けなくても良いから色々なジャンルの音楽を弾き語りできるようになりたい。

そういう目標はとりあえず掲げているのだが、とりあえず、フィドルとマンドリンを練習している。なぜならば、私はここのところひと月ほどブルーグラスにはまっているからだ。ブルーグラスは奥が深い。元来シンプルな音楽でありながら、ブルーグラスのフォーマットでジャズのようなことも、カントリーもクラシックのようなこともできる。それも、メンバー3人もいれば立派なバンドとして活動できるのも良い。

私は、バンジョーが苦手なので、いつか、バンジョーなしでブルーグラスのユニットを組みたいと思ったりもしている。なんなら、ギターとマンドリンと歌だけでも良いと思っている。

ブルーグラスを語れるほど、詳しいことは知らないけれど、とりあえず、ブルーグラスって何?という方には、ビルモンローとモリータトルだけでも聞いてみると良い。

何かと便利なヴァイオリンスタンド

最近購入したZetaのヴァイオリンの置き場所に困っていたので、ヴァイオリンスタンドを買った。アマゾンで1,400円ぐらいだった。

このスタンドの便利なところは弓を一緒に立てかけられること、ヴァイオリンはポンとそこらに置いておくことはできるけれど、弓を置いておく場所がない。ましてや、あまり扱い慣れていない楽器であるから、ポンと置いておいて大丈夫なもんなのかどうなのかもよく分からない。

そういうこともあり、それでは、スタンドがあると便利だろうと思い購入した。

このスタンド、ヴァイオリンだけでなくウクレレやマンドリンも立てられるそうである。ウクレレも、ずいぶん高価なヴィンテージのやつを一台持っているのだけれども、これも、どこに置いて良いかわからなくて、困っていた。仕方がないからいつもハードケースに入れているのだけれども、ちょっと出してきて弾いている時に立てるところがない。こういう便利なものがあるということは知らなかったので、今度、たまに使ってみようかと思っている。

スタンドも、そこそこ場所は取るのだけれど、部屋の角地に置いておく分には、まあまあ収納性は良い。

とりあえず、しばらく使ってみないと実のところ使い勝手が良いのかはわからないけれど。寝る前に練習して、弓を置いておくところがなかったので、枕元に置いておけば、安心だ。

まあ、そんなに熱心にヴァイオリンを練習しているというわけでもないけれど。

ああ、それより、ピアノとギターの練習しなきゃ。ピアノは、なかなかまとまった時間がないと、練習ができないから、明日の休みにでも練習しよう。

おとなしくギターだけ練習していればいいのに、Zeta Violin

私は、どうも楽器というものが好きである。

弾けもしないのに、ペダルスチールギターを持っている。これは、せっかく買ったので、練習しなければなるまいと最近切に思うようになってきて、休みの日にこっそりと練習している。こっそりと練習しているもんだから一向に上手くならない。そもそもがペダルスチールギターは難しい楽器なのである。

ペダルスチールギターも結構まとまったお金が必要なお値段がする。新品で購入したら40〜50万円はするような品物である。当然、新品では買えないから中古で買ったのだが、まだまだ全然弾けていないので、元は取れていない。ペダルスチールギターをバリバリ弾けるようになって、方々のカントリーのバンドから引っ張りだこというのを夢見て買ったのだが、このままでは引っ張りだこはおろか、絶対にバンドから声はかからない。

悲しいもんである。

かつては盛んにトランペットを吹こうと考えていたこともあった。トランペットだけで今まで10本は買った。そのうち7本ぐらいを今でも所有している。所有しているだけで全然吹いていないもんだから、知り合いのジャズトランペッターに長期で貸している。彼は、バリバリステージで私の楽器を吹いてくれている。私のコレクションの中でも最もいい楽器を使ってもらっているから、楽器としても幸せな部類だろう。

ギターも、何本も所有している。これは、弾かなければギターはダメになってしまうので、ローテーションで引っ張り出してきては弦を交換して、それぞれの楽器で練習している。それでも、ギターを練習する時間は平日では殆ど取ることができないので、休みの日にちょこっとだけ練習しているような体たらくである。これでは、ギターを出し入れしているだけのような気分がしてくるのである。

その他にも、グランドピアノのとびきり良いやつを持っている。アップライトピアノも、一般家庭にあるものの2倍ぐらいの値段がするそこそこ良いやつを持っている。ローズピアノも2台持っている。これらも、弾かなければダメになるので、こまめに練習するようにしている。

上記のように、いろいろな楽器を持って入るのだけれども、どれもろくに弾けないのが実情である。練習する時間が取れないので弾く時間がない、と言う意味でろくに弾けないと言うのではなく、ぜんぜん弾けるだけの腕がないのである。要するに、どの楽器もド下手なのである。

そこに来て、また楽器を買ってしまった。

ヴァイオリンである。

ヴァイオリン? あの、 子供が習い事でやるあのヴァイオリンである。

ヴァイオリンって、子供の頃からやらないと弾けるようにならないんじゃないのか?とか、もしかして子供の頃に習っていたの?とか聞かれそうだが、ヴァイオリンの経験ゼロ、全く弾けないのである。

しかし、私は中学時代よりブルーグラスが好きで、人一倍フィドルの音楽は聴いてきたのである。

聴いていれば弾けるのか?

当然、弾けない。弾けないのだが、人一倍フィドルへの憧れはあるのである。そのフィドル界でも最も有名な巨匠、マーク・オコナーのシグネチャーモデルのエレクトリックヴァイオリンを購入したのだ。マーク・オコナーなんて言っても知らない方も多いかもしれない。日本では、ブルーグラスがあまり流行っていないから、彼の名前もそこまで知られていないのだが、ブルーグラスフィドルの世界では、世界一のプレーヤーである。

Zeta Violinというエレキヴァイオリンではトップメーカーのマーク・オコナーモデルである。30年以上前の楽器なのでけれど、新品定価は一体いくらだったのだろう?いまZetaの新品が30〜40万円なので、当時もそこそこしただろう。そのエレキヴァイオリンが、二束三文の値札を付けられてギター屋で売られていたのだ。まあ、二束三文といえども、万の桁だったけれど。

ギター屋曰く、

これ、うちに置いておいても全然売れないんですよ。そもそも、マーク・オコナーを知っているお客さん少ないですし。

ということだった。

購入したらKunの肩当と、立派なケースが付いてきた。純正ケースである。さすがは、ツアーに持って歩く為の楽器である。お家に大事に置いておく類の楽器ではない。だから、ケースもずいぶん持ち歩きのしやすいケースである。

それで、お会計を済ませて帰ろうとしたら、

お客さん、弓、持って帰らないと。

と言うことで、中古の弓もつけてくれた。それも、一度はその辺にあったドウデモイイ弓をつけてくれそうになったのだが、

おい、奥にもっと良い弓あっただろう!!それつけてあげれ、

と言うことで、「もっと良い弓」というのをつけてくれた。

目下、練習中である。練習中であるが、さすがはヴァイオリン、ものすごく難しい。

とくに繋がりはないけれど、Diana KrallとDr. John

今日はほぼ1日ゴロゴロしていたのだけれど、秋葉原のヨドバシカメラまで行ってタワーレコードで Diana  KrallのCDを買ってきた。

Diana Krallはいままで全然興味がなかったのだけれど、カーメン・マクレエのCDを買おうかと思っていたら、どれにも決めかねて、仕方ないので帰ろうと思っていたところで、ふと目に入って買ってしまった。新品の輸入盤だから、2,500円ぐらいした。高い買い物をしてしまった。私は、普段CDは中古ばかり買うので、1,000円ぐらいで収まるのだけれど、今日はどうも中古屋まで歩くのが億劫になったことと、中古屋まで行ったところで、このCDがちょうどよくあるかどうかもわからなかったので、タワーレコードで買った。

カーメン・マクレエを買おうと思っていたのは、彼女が日本のライブハウスでやっているライブ盤が案外良いと聞いたので、ひょっとしてそれがあるだろうかと思ったからである。結局それはなかった。それはなかったので、Dr. Johnの棚も見た。Goin’ back to New Oreansというアルバムがあって、これが、名曲ばかり入っているので、買おうかと思ったのだけれど、どうもこのCDの背帯には見覚えがある。見覚えがあるなあ、などと考えていたら、ひょっとしてこれうちにあるんじゃないかしら、と思い買わずに帰ってきた。

帰ってきて、CDラックを見たら、案の定持っていた。持っている割に全然聴いていないから、忘れていたのだ。危うく二重に買うところだった。クワバラクワバラ。

Diana Krallを聴いていたら、これが案外それほど悪くない。今まで食わず嫌いだったことを悔いて、3度ぐらい繰り返し聴いている。明日からの出張に退屈しないようにiTunesに入れておこうか。

Dr. Johnの方は、まだ少ししか聴いていない。これは、ゆっくりじっくり聴きたいアルバムである。なんといっても、名曲揃い。Dr. Johnの独特の世界観で、名曲が聴けるんだから、買って損はない。

Mosriteの中でもなかなか人気の出ないMark V

今回もギターの話になってしまい恐縮だが、Mosriteの Mark Vについて少々。

モズライト マークVと聞いて、「ああ、あれね」とすぐにピンとこられる方はかなりのギター通、もしくはモズライト通だと思います。そこまで言わなくても、モズライト マークVなんていうギターは、有名人が使っているわけでもなく、みんなが知っているべきようなモデルではないですから、わざわざ調べないと知らないモデルと言えるでしょう。

モズライトといえば、オフセットボディー、ジャーマンカーブのVenturesモデルが有名ですが、あのモデルの派生モデルも色々と作っているのです。ホローボディーのコンボなんていうモデルもありますが、ソリッドボディーのモデルもMark IIとかMark Vとかを作っています。

私はどうも、あまり日の目を浴びることのなさそうなギターというのが好きな性分らしく、どうもそういうギターばかり欲しくなってしまいます。そういう、不人気ギターは人気モデルよりも少しだけ割安というのもありますが、実際買うとなると、やはりそれなりの値段はしますから、かなりの覚悟がいります。しかし、不人気モデルは市場流通量が少ない。少ないから、見つけたら、もう2度と再会することができないかもしれないと思ってしまいます。まあ、大抵の場合、中古ギター屋に長年ぶら下がっているようなものが多いので、べつに急いで買わなくてもいいのでしょうが、なぜか「欲しい」と思ってしまいます。

「不当」に低い評価を受けているモデルが好き、と言うか、そういうモデルをなんとか悪の手から救ってあげたいと思いギターを買ってしまうことがしばしばあります。

このMosrite Mark Vも言ってしまえばそういう一台と言えるのかもしれません。モズライトが欲しいとおっしゃっている方に何度かお会いしたことはありますが、そういう人たちは普通のベンチャーズモデルが欲しいと言っているわけで、決してMark IIやらMark Vをほしいと言っているわけではない(いや、そうとも言い切れないか)。普通のベンチャーズモデルは、見た目もかっこいいし、何よりあのベンチャーズが使っているあのモデルだ。そこにきて、Mark II、Mark Vに関して言えば、ベンチャーズが持っているところはほとんど見たことがない(いや、アルバムの裏ジャケとかで持っているんだけれど)。だから、みんなあんまり欲しがらない。

しかしですね、 Mark V、これが実物を見てみると、なかなかいいギターなんです。まず、作りがチープ。これは、エレキのロールスロイスと呼ばれているモズライトですが、Mark Vやら Mark IIに関して言えば、これはエレキのトラバントか、というほどチープ。ネックバインディングもなければ、ネック材の取り方も、木材を最小限使って作ってます、と言う感じで好感が持てる。そして、モズライトの看板とも言えるヘッドが妙に小さい。

この、チープさが良い。エレキのロールスロイスは恐れ多くてなかなかライブなんかに持ち出すのに気が引けますが(じっさい練習にも持って行ったことはないな)、このMark Vであれば、もう、キャンプにでも持っていけそう。

チープな作りなのですが、プレイアビリティーはまさにモズライトそのもの。ネックグリップの細さ、フレットの低さなんかは、モズライトの上級機種と同じです。この辺はさすが、量産モデルのくせに丁寧に作っております。ペグもクルーソンを使っているし、ブリッジも、ローラーブリッジでこそないけれど、モズレーユニットが付いている。えらい、手抜きをしながらも、ちゃんとしたものを作っている。

それじゃあ、このギターに不満な点はないか、と聞かれると、それはないわけではないわけで。色々あります。

まず、ネックジョイント、17フレットジョイントなのは良いけれど、ボディーのデザイン上、17フレット以上はもう、「弾くな」と言われているのかと思うほど弾きづらい。クラシックギターでももっとハイポジションは弾きやすいだろうかと思われる。まあ、このギターでバリバリソロをとってやろうとか考えていないから、それは別に良いんだけれど、17フレット以上が弾きづらかったら、

ベンチャーズが弾けないだろ!!

仕方がないので、コードカッティング専門に使っています。

それと、このピックアップ。ハムバッカーなのかなんなのか分解したことないのでわからないんだけれど、音には不満ありませんが、ハムにしてはどうもノイズが大きい気がします。モズライトのピックアップってそもそもノイズは大きめなのでけれど、それを解決しようとしてわざわざハムバッカーにしたのだったら、もう少しノイズが小さくなってくれても良かったのではないか。

まあ、私はプロのミュージシャンじゃないから多少のノイズはどうでも良いのだけれど、今日のノイズが少ないピックアップに比べたら、なかなかのものです。

そういうわけで、全く不満がないかといえば、なくはないのだけれど、1965年という時代を考えれば、世の中のギターがロクでもない方向に傾きつつあった時代に(これは、私の個人的な見解ですが)モズライトはよく頑張っていたな。

何よりも、このギター見た目が良い!と、いつも結局見た目が良いで落ち着いてしまうのだけれど、ギターなんてある程度のクオリティーを保っていたら、あとは見た目が重要です。この、控えめなジャーマンカーブが美しい。高級感が出ない範囲ギリギリのラインのジャーマンカーブ。不恰好とも言えるデザインも良い。こういう不恰好なデザイン、現代人はなかなか作れません。セミーモズレー、よくこれでOKしたなというぐらい洗練されていないデザイン。これが、良い。

モズライトといえば、とりあえず、ベンチャーズなんだろうけれど、モズライトギターの元祖Joe Maphisがこれを弾きまくっていたらさぞかっこいいだろうな。いっちょ、このギターでカントリー旋風を吹かせてやりたいと思わせられる一台です。

落ち着いて、安心して聴けるJames Taylor

James Taylorこそ、いつ聴いても疲れない音楽を提供し続けているソングライターの一人だと思う。疲れないというだけでなく、癒しのようなものを提供してくれる。

作品が多いので、全てを聴いたわけではないけれど、私のレコードラックには入っている彼の作品は、どんな時でも安心して聴ける。時として、すこし刺激が少ない気がするから物足りなくも思うのだけれど、疲れている時や疲れが取れない日々に聴くのにはちょうど良い。

音楽はある程度の刺激があったほうが面白い。モダンジャズはスリリングなアドリブによる対話がなければ面白くないし、クラシックだって緊張と緩和のバランスの中でドラマチックに変わりゆく音楽の世界を楽しめたほうが面白いと思う。ロックなんかは、これは刺激を求めて聴いているようなもんだし、私の好きなカントリーミュージックなんかは比較的刺激が少ない音楽だとは思うけれど、ロック同様の刺激的な側面がある。

ジェームステイラーの音楽は、そういう側面から聴くと、ちょっと物足りないと感じる。彼はギター弾き語りで淡々と歌う。バックを固めるミュージシャンもそれを意識して比較的おとなしいアレンジの中、危なげなく曲を盛り上げる。彼の作品はセルフプロデュースが多かったかどうだったかは忘れたけれど、どの作品もそういった落ち着いてまとまっている。我々リスナーもそれを期待して聴いているわけだし、レコードもそれを裏切らない。そのバランス感覚の上に、ジェームステイラーの音楽は常にあると言って良い。

だから、どの一枚でも良い。疲れた時にレコードショップで彼のアルバムを手にしたらまず問題なく、そういう、落ち着いてまとまった作品を聴くことができる。

思えば、私が初めてジェームステイラーの音楽に出会ったのは、中学1年の時だった。担任の先生が朝のホームルームの際に、彼の学生時代のお気に入りの曲として「You’ve got a friend」をかけてくれた。私は、一度聴いた時からそのサウンドが好きになった。その頃から、私は疲れていたのだろうか。

そして、それから25年以上が経った今でも、彼のCDをかけたりレコードに針を落とすとあの時と同じサウンドを聴くことができる。彼の音楽は、私が歳をとっても、印象が変わらない。それだけ、どこか強く芯が通った音楽なんだろう。

危なげなく名作を連発するVince Gill

以前にも同じことを書いたかもしれないけれど、カントリーのシンガーソングライター、Vince Gillが好きだ。Vince Gillは、曲が良い、歌声が良い、ギターが上手いの三拍子揃っていて、今のカントリーの世界ではトップのミュージシャンだと思う。

ヴィンスギルの曲は、透き通った中にアメリカの田舎町のような素朴さと土埃が漂っていて、時々都会的なセンスが感じられ、それがカントリーというよりもAORのようで子供には到底わからない素晴らしさだ。カントリーミュージックが苦手だという人でも、彼のアルバムであれば一枚を通して聴けるかもしれない。

リリースするアルバムがどれも名盤で、作品は少なくはないのだけれど、当たり外れが少ない。そして、何よりも私が彼の音楽を好きな理由は、味付けが濃すぎないことだ。これは、カントリーミュージックで実現することはとても困難なことなのだ。

カントリーミュージックが苦手だという方の多くは、その味付けの濃さが苦手なんだと思う。シンプルなスリーコードの進行、いかにもというテレキャスターとスチールギターの絡み、鼻にかかった歌唱法。どれを取っても味付けが濃い要素ばかりだ。ヴィンスギルの音楽にも、その要素は多分に含まれているのだが、どれもが爽やかに楽曲の中に溶け込み、主張が強くない。それでいて、心に残る曲ばかりなのだ。

バックを固めるミュージシャンも、かっちりしすぎず、ちょっとレイドバックしていて、カントリー好きの心をとらえる。まさに良いことづくめのシンガーソングライターである。

朝一で聴こうという気分になるカントリーミュージックはあまりない。アメリカ人ならまだしも、東京の寒空の下で起きがけにオメデタイカントリーミュージックのサウンドを堪能するのはなかなか体力がいる。カントリーの世界観に浸るのはカントリー好きのわたしでも案外体力を使うのだ。朝から騒がしいジャズを聴く気が起きないのと同様、あまり朝からカントリーは聴かない。

そんな中で、Vince Gillだけは例外で、朝からガンガン聴いている。ステレオのボリュームを上げて聴いている。聴いているうちに家を出なくてはならない時間になる時は、仕方ないのでiPhoneで聴いたりしている。

彼は優れたギタープレーヤーでもある。50年代のテレキャスターを自在に操りカントリーリックをキメる。カントリーギタリストを志すものには憧れのギタリストの一人である。

今夜は彼の2016年のアルバム「Down to my last bad habit」を聴いている。このアルバムもブレずに良いアルバムに仕上がっている。ヴィンスギルが日本で大ブレイクしないのは(まあ、することはまずないとは思うけど)彼の音楽の危な気のなさなのかもしれない。

Chaki P-100にDeArmond Rhythm Chief 1100

このところ楽器の話ばかりで恐縮だが、今日もギターの話である。

以前にこのブログでChakiのギターについて書いたが、実は、Chakiのギターは2台所有していて、一台はP-1、もう一台はP−100というモデルだ。以前、P-1について書いたので、それはこちらの方を読んでいただけると幸いです。今日はもう1台のP-100について。

Chakiというギターのブランドは、比較的マイナーで、大して高価なギターではないので(むしろ安物の部類に入るだろうか)名前もあまり知られていないかもしれない。日本製のギターで、京都のギター工房で細々と作られている(作られていた)。ウッドベースも作るメーカーだから、Chakiブランドのウッドベースはたまに見かけるのだけれど、そっちも高級ブランドではないから、プロがバリバリ使っているのを見かけたことはまだない。

ギターの方は、以前にも書いたけれど、憂歌団の内田勘太郎さんが長い間メインで使っていて、アルバムのジャケ写でも何度も登場しているので、そっちで見たことがあるという方も多いかもしれない。むしろChakiといえば内田勘太郎さんのおかげで有名だというだけで、他のプロの方がバリバリ使っているのを見たことはない。

手作りのギターで、70年台の個体をよく見かけるので、70年代にはそこそこたくさん作っていたのだろう。その頃のChakiの工房にはアーチトップギターで有名な辻四郎さんという製作家が在籍していて、何人体制で作っていたのかはわからないけれど、なかなかクオリティーが高い個体も多い。とは言っても、Chakiの作りが総じて良いかと言うと、必ずしもそうとも言えなくて、フレットがガタガタだったり、ナットがボロボロだったりするやつも見たことはあるから、全部が全部作りが良いというわけではないだろうから、購入される方はその辺を注意したほうが良いと思う。

私の持っているP-100もやはり70年代のもので、懐かしいタイプのグローバーペグが付いている。フレットは、前のオーナーがリフレットしたらしく、なかなか弾きやすい。P-1の方はやけに細いワンピースのメイプルネックなのに対し、P-100の方はスリーピースで太めのメイプルネック、エボニー指板である。

チャキの音はこのメイプルネックが寄与しているとこが大きく、少し硬めの音がする。P-100は指板のエボニーもなかなか良いエボニーが使われていて、タイトでガッツがある音がする。P-1とP-100のモデルの立ち位置はいまいちわからないのだけれど、おそらくP−100の方が上位モデルなんだろう。ボディートップは単板のスプルースが使われている。

Chakiのギターは個体差が大きく、全然鳴らない個体も多い。私は今まで中古市場で約10本、新品を2〜3本見たことがあるけれど、良く鳴る個体は私が持っている2台だけだった。良く鳴るといっても、50年代のギブソンのようなドスン、ポロンとしたなり方ではなく、どちらかと言うとボン、ガラガラと鳴る。特にP-100の方は、低音がすこし暴れる感じがしたので、それが気に入って買ったのだけれど、今はフラットワウンド弦を張って落ち着いた感じにしている。フラットワウンド弦に交換しても、音がこもるようなことがなく、わりと素直な音で鳴ってくれるので、弾いていて気持ちが良い。

フラットワウンド弦に交換したのは、もう一つの理由があって、このチャキにDeArmondのRhythm Chief 1100を取り付けたのだ。このディアルモンドは最近出た復刻版で音はヴィンテージのRhythm Chiefのようなクリアな感じではなく、もうすこし太いながらもツルンとした音が出るのだけれど、ヴィンテージは世の中じゃ10万円オーバーになってしまったので、復刻版にした。このピックアップはそれほどクセが強い音でもないので、これはこれで満足している。もう一つ、DeArmondからはRhythm Chief 1000というモデルも出ているのだけれど、ギター屋のオヤジに相談したら、1100の方が良いんじゃない?ということにして、こっちにした。値段は三千円ぐらいしか変わらないので、お好みで選べば良いかと思う。

このギターで、ジャズの真似事か、ジャンプブルースのような音楽を弾いてみたいと思い、購入したのだが、目下、ただのフォークギターとして使っている。アーチトップはずっとGibsonのL−50を手元に置いて愛用していたのだけれど、最近はもっぱらこのChakiを弾くことのほうが多い。Gibsonと違い、 Chakiはフェンダースケール(ロングスケール)、これが、最初はなんとなく違和感があったんだけれど、同じゲージの弦を張った場合、弦の張りが強い分だけギブソンよりもちょっと力強い音がするようなきがする。ボディーサイズが17インチと大きめながらも持ちやすいので、音量は十分に出るし、取り回しにも便利だ。

こうして、ただのフォークギターとして使っているのももったいないから、ジャズのコード進行でも覚えて、いつかジャムセッションにでも持っていきたいと思っている。まだまだ先は長いのだが。

 

Pedal Steel Guitar、ペダルスチールギター、PSG!

ペダルスチールギターという楽器をご存知の方は日本にどのぐらいいるだろう。

かつて日本で、ハワイアンとカントリーが流行ったことがあると聞いたことがある方、その世代の人たちはよくご存知だろう。その世代の人たちはもう60代ぐらいになるのか、いや、もっとわかいのか、よく分からない。私は、流行とは関係なくカントリーミュージックが好きだから、中学時代からなぜかカントリーばかり聴いている。学生の頃一時期ジャズばかり聴いていた頃もあったけれど、今はもうその頃ほどジャズは聴かない。そもそもそれほど音楽を聴かない。悲しいもんである。

それでも、カントリーは今でも聴く。疲れないで聴いていられるから、朝からカントリーを聴いて出勤する。通勤電車でもカントリーばかり聴いている。歌謡曲やら、演歌を聴いていることもあるけれど、カントリーを聴いていることの方が比率としては断然多い。

カントリーはどうも日本では誤解されている節がある。いや、正確に言うと誤解ではないんだけれど、世の中で今カントリー音楽として広く知られているのは、カントリーミュージックのごく一部で、本当はもっと幅広いジャンルだと思う。ウェスタンスイングからはじまって、最近のロック寄りのカントリー、ジョンデンバーのようなフォーク寄りのカントリー、マンドリンやフィドルが入るカントリー、色々とある。あの、バンジョーがテンテケテケテケのブルーグラスとも混同されがちであるが、厳密には別の音楽である。ブルーグラスについては、また別の機会に。

それで、カントリーミュージックといえば欠かせない楽器がペダルスチールギターである。カントリーミュージックあるところには常にペダルスチールギターがある。ペダルスチールギターがないところにはカントリーミュージックはないと言っても過言ではない。

ペダルスチールギターは50年代の終わり頃に登場したのだろうか。詳しいことはわからないけれど、50年代までのカントリーミュージックに登場するスチールギターはほとんどがラップスチール(コンソールタイプであることが多い)である。チューニングを変えることができるチェンジャーがついたペダルスチールギターが一般的になったのは60年代ではないだろうか。詳しいことはわからないけれど、とにかく歴史は浅い楽器であることは確かだ。しかし、カントリーミュージックには、今となっては欠かせないがっきである。

そんなペダルスチールギター、日本ではほとんど情報が手に入らない。ペダルスチールギターについての雑誌などは存在しないし、国内でペダルスチールギターのプレーヤーは何人ぐらいいるんだろう?アマチュアも入れて1,000人いないぐらいではないだろうか。ペダルスチールギターを所有しているという人は結構いるのかもしれないけれど、弾けるという人は身の回りには、自分のバンドのメンバーしか知らない。教えているところも、全然ないんじゃないか。

そんなペダルスチールギターを近頃練習している。なんとか教則本が手に入ったので、それを使って覚えている。つい最近8ペダル・4ニーレバーのダブルネックを手に入れたので、やっと本格的に練習ができるようになった。それまでは、エモンズのシングルネックを持っていたが、ペダルはきちんと3ペダルだったのだけれど、ニーレバーが1本しかなかったので、色々と出せないコードがたくさんあった。4ニーになると、ずいぶん弾けるコードの幅も広がる。目下、全然使いこなせていない。A,BぺだるとEニーレバーしか使っていない。

いかんせん競技人口が少ないがっきなので、もっと他のプレーヤーとのつながりがほしい。奏法の指南を受けたい。目下、月に一度のバンドの練習の時に、リーダーが弾くのを見てなんとなく覚えている。ときどき質問をしたりして、なんとなくわかったようなわからないような気分になっているだけである。

かと言って、どこかに習いに行けるほど時間がない。楽器の練習をする時間すらほとんどないのに、いわんや習う時間はない。かつて、リーダーが会社の近くにいた頃に、もっと習っていればよかった。今になって後悔している。

ファゼイという国内唯一のペダルスチールギターのメーカーがThe Japan Steel Guitar Associationというのをやっているので、それの会員になろうかと思っているのだけれど、はたして私のような初心者でも入会させてくれるのだろうか?会報が年5回出ているというけれど、一体どんな内容の会報なんだろう?

何かご存知の方がいらっしゃったら、教えて下さい。

Leon Russell “Roll Over Beethoven”

ちょっと、地元のラジオに手紙を書くんだ、

ロックンロールナンバーをかけて欲しくて、

ベートーヴェンなんて糞食らえ。今日もロックを聴かなきゃ。

 

という歌い出しのロックンロールナンバー、この曲のオリジナルはチャックベリーなんだけれど、ビートルズがカヴァーしているので有名だ。私も、この曲を初めてきいたのはビートルズ。そのあと、オリジナルのチャックベリーを聴いて、ジェリー・リー・ルイスのを聴いた。

最近YouTubeを見ていて、レオン・ラッセルが歌うこの曲に再会した。ロックのレジェンド、レオン・ラッセルである。

レオン・ラッセルと言えば、ジョー・コッカー等とバンドを組んで、ライブアルバム、Mad dogs & Englishmenのプロデューサー兼アレンジャーをやっていたり、カーペンターズの数多くのヒット曲を書いたりして有名なのだけれど、それだけでなくて、フィル・スペクターやらバーズ、クラプトンなんかの曲でピアノを弾いている。そして、なんといっても、名曲「 A Song for You」のヒットで知られている。

私は、高校の頃、彼のベスト盤を買ってから、そのCDを何度も何度も聞いてきた。ギターものばかり聴いてきた私のレコードラックには珍しいピアノもののロックである。

彼のピアノは、テクニック的には特になんというものでもないけれど、独特の怠いノリで、それがなんとも心地よい。上記のロックンロールナンバーでも、彼独特のレイドバックしたピアノを聞かせてくれるんだけれど、そのノリをギターで再現しようとしたのだけれど、どうもできない。

YouTubeの動画ではエレピを弾いているんだけれど、彼のピアノの音はエレピの登場以前から、こういうチープでギラギラとした音がしていた。ホンキートンクというのか、それともちょっと違うような気もするのだが、生涯この音で通していたような気がする。

ロックといえば、ギターというイメージがあるのか、ピアノもののロックはあまり語られることがなくて、かくいう私もピアノもののロックは、彼か、ジェリー・リーか、はたまはベン・フォールズぐらいしか持っていないから確かに語れることも少ない。それでも、レオン・ラッセルのピアノを聴くと、そこに確かにロックンロールというもののかっこよさが宿っていて、一朝一夕には真似できないものがある。まあ、どんな楽器でも一朝一夕には真似できないのだろうけれど、一見大したことはやっていないからこそ、真似するのは至難の技だと思う。

先に挙げたMad dogs & Englishmenのピアノもすごく、かったるそうに弾いていて、好感が持てる。レオン・ラッセルはいつ聴いてもこの調子だから良い。Mad dogs & Englishmenの中では、特に、リタ・クーリッジが歌う「Superstar」のバッキングのピアノがレオン・ラッセルらしさがよく出ている。

冒頭に引用したRoll Over Beethovenについて、レオン・ラッセルは10代の頃この曲のレコードをヒットさせている。その頃の彼は、もっとバリバリのロックンローラーなのだけれど、まだちょっとかたっ苦しさがある。デヴィッドレターマンのトークショーにゲスト出演した時、この曲を歌うレオン・ラッセルは、もっとずっと力が抜けていて、いかにもアメリカの南部のロックサウンドで、それがなんとも言えず良い。こういうサウンドは、暑苦しいから好き嫌いが分かれるだろうけれど、私はめっぽう好きな方である。

彼の演奏を聴いていると、ロックンローラーに求められる資質、スリーコードのロックサウンドを壊さないで自分流に味付けをすること、の重要さを感じさせられる。

レオン・ラッセル、暇なとき、聴いてみてください。