気分はJohnny Winter

レアなエレキギターといえば、ほとんどはアメリカ製のギターであって、アジア製のギターやら日本製のギターの多くは量産品なのであまりありがたみがないというのが私の今まで思っていたことであった。

Hondo(本土?本渡?)というメーカーがあり、韓国のメーカーだと思っていたのだが、日本のメーカーかもしれない、よく分からない。例によって作りの悪いエレキギターを作っている。

ErlewineのLazerもHondoで作られている。アールワイン本人が作ったやつは3000ドル近くする高級品だが、HondoのLazerは450ドルぐらいで売られていた安物のギターである。高級品メーカーのErlewineが韓国でボディーを作らせて、アメリカで組み込みを行ったErlewineのLazerという厄介な商品がある。高級な安物ギターである。使われているパーツ(可変抵抗やスイッチ)は安物である。木工もいいかげんである。しかし、ブランドは高級ブランドのErlewineが付いている。

このギターは、HondoのLazer同様にかなりレアな(希少な)ギターである。 Johnny Winterが晩年までメインで愛用していたギターであるが、よくもまあこういう安物のギターをあれだけハードにツアーで使っていたものだと感心してしまう。

もともとはトラベルギターで(アールワインはトラベルギターを色々と作っている)あるから、ツアーで使うのは本来の使い方なのだろうけれど、Johnny Winterほど大物になるとツアーバスでの移動だろうから、わざわざトラベルギターを使う必要はない。むしろ、バックアップの機材とか、もう一台のメインのGibson Firebirdとかもっともっとかさばるギターを持って歩いているわけだから、こんな安物のトラベルギターをメインで使う必要はない。

しかし、実物を触ってみると、これがまたなかなか悪くない。音も、本格的なギターの音がする。

ネックシェイプはかなり薄めで、ネックの幅がかなり太いので慣れるまで戸惑うかもしれない。スケールは25.5インチのフェンダースケール、24フレット仕様。持った感じはものすごくバランスが良い。この辺りが巷のトラベルギターと一線を画す。ここまで持った感じのバランスが良いトラベルギターは、TravelerのUltra Light EDGEぐらいかもしれない。あれはピエゾピックアップで、こちらはマグネチックピックアップだから、エレキでバリバリ弾きたい人にはHondoかErlewineのLazerをお勧めする。

ストラップをつけて立って弾いても、座って弾いてもバランスが良いようにボディーがデザインされているのはさすが Erlewineのデザインだからか。ジョニーウィンターはいつも座って弾いていたから、そういうボディーのバランスも重要だったのだろう。私も、書斎で座って弾くことが多いので座ったときにバランスが良いギターがありがたい。

このギター、Johnny Winter以外に弾いている人を見たことがないけれど、一体何台ぐらい生産されたのだろう。ブリッジは専用のシャーラー製Wine-O-Maticが使われているから、このパーツの金型代を消却するためには少なくとも1000台ぐらい作らなければいけないだろうけれど、そんなにたくさん市場に出ているところを見たことがない。きっと良いところ500台ぐらいしか現存しないのだろう。

ネックの幅(指板の幅)が広いと書いたが、これは慣れるのに時間はかかるが、慣れてくるとチョーキングがしやすかったりして重宝する。スルーネックだからこそできる仕様だろう。

近頃の私のメインギターである。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です