健康なのはいいけれど、

先日、人間ドックというのを受けてきた。

メタボリックシンドロームという診断以外は、特筆するほど大きな問題はなく、再検査も一項目だけで、日頃の不摂生にしては案外悪くない結果であった。20代の頃は40までこうして元気に生きているとは思ってはいたけれど、まさか本当に40歳になるとは思っていなかった。そして、私はもうすぐ41歳になる。

30代の後半は体調を崩したりしてボロボロであった。一時期はもう社会復帰すらできないのではないかと自分では思っていた。こうして、社会人としてまともにというほどではないけれど、働いていられることが奇跡のようである。

しかし、人の欲というのは限りない。

私は今、社会人としていくばくかの成功体験を持ちたいとすら思っている。過去十年間何の努力もしてこなかったのにもかかわらず、少しでもこれから成功したいと思っている。

人間は欲を持ち始めると、憂鬱になるものなのか。己のだらしなさ、己の無力さを痛感して気が滅入るものなのか。私はいまものすごく落ち込んでいる。初めから低かった思考能力は、更に減退し、行動力も衰え、齢四十にしてもはや斜陽であるかのような気分になってしまっている。

せっかく、人間ドックで健康だと言われたのに。

思えば、かつてほど本を読まなくなった。音楽も聴かなくなった。文章を書く機会も減った。

このままではいけないと思いながらも、今日も夕日は沈んでいく。

「健康なのはいいけれど、」への1件のフィードバック

  1. 健康第一!!!

    以前、書かせていただいたかもしれないけれど、
    僕も30代の終わりに体調を崩し入院しました。
    自分が入院なんて信じられないような気持ちとともに、
    自分の仕事の仕方を考えれば倒れても当然だ、とも思いました。

    父が42歳で亡くなっていたので、
    自分も早死にするかも、と心のどこかに不安があったけれど、
    父の歳を超え還暦を控えるような歳になりました。

    父は食欲は旺盛なほうでした。
    でも太らなかった。
    いや、太れなかったのかもしれません。

    僕はと言うと、
    40歳ごろから目だって太りだしました。
    でも、太れなかった短命な父のことを思い出して、
    人並みに、と言うか、人並み以上に太った自分が嬉しくもあったのです。

    二人の子供が結婚するまでは生きていたいと思っています。
    と言いながら、それがクリアできたら、
    孫の顔を見るまでは、とかって思うのでしょうかね?
    なぁ~んてことを今から考えているんです。
    そうありたい、と言うことでしょうね。
    まあ、健康第一と。

    それで、そんなことを時々は思いながら生きている自分は、
    なんだかんだ言って幸せ者なのかな?、と思ったりもしているのです。

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