なんの心配もなしに聴けるピアノトリオの名盤「Misty Red」

Red Garlandについては、ここで何度か書いたことがあるけれど、ジャズのピアノトリオで一番たくさんCDを持っているのはレッドガーランドかもしれない。

そもそも私はあまりピアノトリオを聴かない。ジャズは好きなので、CDもたくさん持って入るのだけれど、ピアノトリオのCDはビルエヴァンスとエロルガーナーと、レッドガーランドぐらいで、あとはあまり持っていない。

なぜ、ピアノトリオを聴かないのかは自分でもわからないのだけれど、長らくピアノの音が苦手だったせいもあるかもしれない。私は、以前ピアノ屋で勤めていたのだが、勤める前まではピアノ音楽は殆ど聴かなかった。ピアノの音がどうも好きになれなかったのだ。

仕事の関係で幾つか聴いているうちに、なんとか我慢は出来るようになった。クラシックも、ジャズも、少し聴くようになった。ピアノ屋がピアノ曲の一つも興味がないというのは、やはりちょっとまずいかなと思って最初は聴いていたのだけれど、聴いてみると、これはこれで全くダメというわけでもない。

まあ、ピアノを弾かない一般の方がわざわざCDを買って聴くような音楽は少ないが、その中でもなかなかいい音楽がある。

Red Garlandはそのうちの一つで、ジャズが苦手な方でも、ピアノが苦手な方でも、彼のピアノトリオの作品の中に一枚ぐらいは気に入るレコードがあると思う。レパートリーは広いし、極端に前衛的なこともしない。いつも安定していい演奏を聴かせてくれる。

今日聴いている彼の演奏もなかなかいい。

昨日、西新井のブックオフで購入した「Misty Red」という日本企画盤のピアノトリオ作品だ。結構晩年の作品に当たるのではないかと思うけれど、若い時から変わらず、落ち着いてスイングする彼のピアノを聴くことができる。タイトル曲のMistyもいいけれど、ここでは全てスタンダード曲が演奏されているので、どのトラックから聴き始めても悪くない。

このCD、存在は知っていたのだけれど、日本企画盤ということもあり、購入するのをちょっとだけ躊躇していた。日本企画盤には、独特の胡散臭さがあるからだ。よく言えば完成度が高く聴きやすいようになっていて、悪く言えば、どうも優等生すぎておもしろくない演奏のレコーディングが多いのだ。

しかし、よく考えてみれば、これはレッドガーランドのCDだ。危なげない演奏に決まっている。彼は、そういう名手なのだから。

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