Hound Dog Taylor “Release the hound” この猟犬スライドに憑き

このブログの趣旨は、聴いていて疲れないCD、読んでいて疲れない本やら写真集を紹介するのであるけれど、今日はちょっとその趣旨から外れて、暑苦しいCDを紹介いたします。

私は中学時代ブルースのCDばかり聴いていた。BB Kingから始まって、バディーガイやら、ロバジョンやらの有名どころを聴いて育った。当時どんなCDに夢中になっていたか残念ながらあんまり覚えていないのだけれど、ジョニーウインターやらスティーヴィーレイヴォーンなんかの白人のブルースマンのCDを盛んに聞いていたように思う。もう25年ぐらい前の話だから、すっかり忘れてしまった。

私の暮らしていた札幌では、そもそも大きなCD屋がタワーレコードぐらいしかなかったので、手に入るブルースのCDもあんまりたくさんはなかった。白人のブルースマンのCDはロックのコーナーに置いてあったから比較的たくさん置いてあった。ブルースのレコードについての詳しい解説本のようなものもあまりでていなかったから、「ロック」に分類されているブルースのレコードの方が情報が出回っていたので必然的にそういうCDのセレクションになった。

当時、どのCDを買えばどんな音楽が聴けるかは、買ってみないとわからなかったから、所謂ジャケ買いばかりしていた。ジャケ買いと言っても、当時中学生の少ないお小遣いから買うわけだから、そうおいそれとCDは買えない。だから、ジャケットを見る目も真剣だった。今は、そんなに一生懸命ジャケットは見ない。なんとなく好きなミュージシャンが参加しているアルバムやら、好きな曲が入っているCDを盲滅法に買って聴いている。

ハウンド・ドッグ・テイラーの「この猟犬スライドに憑き」のジェケットもそれほど見栄えのするものではないから、中学の頃だったら買わなかった類のもんだろう。しかし、これはブギーの神様ハウンド・ドッグ・テイラーの数少ないライブ盤のCDだし、AlligatorレーベルのCDだから、まあ間違えない選択だろうということで買うに至った。情報化社会の賜物である(まあ、購入したのは10年ぐらい前だけれど)。

このCDはハウンド・ドッグ・テイラーの没後まとめられCDとなったものなのだけれど、音質もさほど悪くはない(よくはないのだけれど)。何よりも、1トラック目の初めのMCが良い。

もし、ブギーについて知りたいと思ってここに来たんだったら、それは正しい選択でした。ハウンド・ドッグ・テイラーとハウスロッカーズです。

という店の人なのか司会者なのかわからないけれど、MCからはじまる。まさに、この言葉に表現されている通りのブギーがこのライブ盤には詰まっている。全曲シンプルなブルース進行、コード進行だけで考えると、全曲一緒。

だけど、まあ、がんばればなんとか一枚通して聴ける。それは、ハウンド・ドッグ・テイラーのギターが凶暴だからである。歪んだサウンドでスライドしまくるという、なんともシンプルなスタイル。この芸風でブルースやっている人は結構たくさんいるのだろうけれど、この人が本家本元。だからなのか何なのかわからないけれど、妙に説得力がある。

しかし、このCDについて、これ以上語るべきこともないので、今日はここまで。

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